G7広島サミットIMCにブース出展 宇都宮と那須塩原 2市の脱炭素施策発信

公共交通の脱炭素化の取り組みなどを紹介する宇都宮市の展示=19日午後、広島市内(宇都宮市提供)

 広島市で19日開幕したG7広島サミットで、国内外の報道関係者数千人の取材拠点となる国際メディアセンター(IMC)に宇都宮、那須塩原両市の環境施策を紹介するコーナーが設けられている。両市の関係者は「脱炭素化の取り組みを知ってもらう貴重な機会」などと喜んでいる。

 IMCは22日まで県立総合体育館に設営され、政府広報展示ブースでは国際社会が直面する課題の解決に役立つ取り組みなどを四つのテーマで紹介。環境省の「脱炭素先行地域」に選定されている両市は「次世代のチカラで未来を切り拓く」のテーマで出展した。

 宇都宮市は、ごみ焼却施設で発電した再生可能エネルギーで、8月開業予定の次世代型路面電車(LRT)を運行する「ゼロカーボントランスポート」についてパネル4枚と約5分間の動画で解説。LRTや電気バスなど公共交通網の脱炭素化を図る「ゼロカーボンムーブ(二酸化炭素を排出しない移動)」に向けた施策などをPRしている。

 同市環境創造課の武田勝行(たけだかつゆき)課長は「公共交通を含めた移動に関する脱炭素化の取り組みは全国的に珍しい。海外メディアにも知ってもらいたい」と期待した。

 那須塩原市は、日光国立公園内にある市内の2温泉地区が環境省の「ゼロカーボンパーク」に登録され、オランダの国際的な観光認証団体が選ぶ「世界の持続可能な観光地トップ100選」に同市が2年連続で入ったことをパネルで説明。さらに酪農業が盛んな同市青木地区で展開する、太陽光発電などの再生可能エネルギーと蓄電池などを組み合わせ、電力を自給自足する事業についてもイラストを交えて解説している。

 渡辺美知太郎(わたなべみちたろう)市長は「脱炭素化の取り組みを紹介する機会を得られたのは限られた自治体のみ。新型コロナ禍においても持続可能なまちづくりを進めてきたことが評価された」と喜んだ。

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