「核兵器を永久になくせる日」は来るか 核保有国首脳の直筆メッセージが公開 G7サミット 原爆資料館 訪問で

G7広島サミットが開幕した19日、各国首脳が初めてそろって原爆資料館を訪問しました。およそ40分間の視察内容は公開されておらず、首脳たちがどの展示をどれだけ目にしたのかは分かっていません。

各国首脳は、原爆資料館で被爆者の小倉桂子さんと面会しました。

小倉さんは幼少期の被爆体験を語り、首脳たちに「資料館の中にないもの、写真に映ってないもの、長い間被爆者か感じてきた葛藤、心の傷、悲しみ、人に言えない秘密、そういった目に見えないものを感じて、この広島で心の中の自分自身と語りあってほしい」と伝えたそうです。

原爆資料館で記された各国首脳による芳名録が20日、公開されました。そこには現在も核兵器を保有するアメリカ・イギリス・フランス3か国の首脳によるメッセージも記されています。

今も戦争が続くこの世界の片隅で、大国の指導者たちは何を見て何を感じたのでしょうか。

【アメリカ・バイデン大統領】
「May the stories of this Museum remind us all of our obligations to build a future of peace. Together-let us continue to make progress toward the day when we can finally and forever rid the world of nuclear weapons. Keep the faith!」

「この資料館で語られる物語が、平和な未来を築くことへの私たち全員の義務を思い出させてくれますように。世界から核兵器を最終的に、そして、永久になくせる日に向けて、共に進んでいきましょう。信念を貫きましょう!」

【イギリス・スナク首相】
「Shakespeare tells us to “give sorrow words”. Yet language fails in the light of the bomb’s flash. No words can describe the horror and suffering of the people of Hiroshima and Nagasaki. But what we can say, with all our hearts, and all our souls, is no more.」

「シェイクスピアは、『悲しみを言葉に出せ』と説いている。しかし、原爆の閃光に照らされ、言葉は通じない。広島と長崎の人々の恐怖と苦しみは、どんな言葉を用いても言い表すことができない。しかし、私たちが、心と魂を込めて言えることは、繰り返さないということだ」

【フランス・マクロン大統領】
「Avec émotion et compassion, il nous appartient de contribuer au devoir de mémoire des victimes d'Hiroshima et d’agir en faveur de la paix, seul combat qui mérite d’être mené.」

「感情と共感の念をもって広島で犠牲となった方々を追悼する責務に貢献し、平和のために行動することだけが、私たちに課せられた使命です」

※仮訳は外務省による

【原爆資料館の「芳名録」】
各国の首脳や著名人が訪問の際に記帳するノートで、これまでに1981年のローマ教皇・ヨハネ パウロ2世、1992年のゴルバチョフ元ソ連大統領、2016年のアメリカ・オバマ元大統領などが直筆のメッセージを残している。

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