かっちゃ熱く 伏木曳山祭 曳き子も客もマスク外し

提灯山車を激しくぶつけ合う「かっちゃ」=20日午後7時半、高岡市伏木中央町

 「けんか山」で知られる伏木神社春季例大祭の伏木曳山祭(ひきやままつり)は20日、高岡市伏木地区で行われた。提灯山車(ちょうちんやま)をぶつけ合う名物「かっちゃ」が繰り広げられ、港町伏木が誇る活気と感動を伝えた。新型コロナウイルスの5類移行後、市内では初の大型祭礼で、曳き子も見物客もマスクを外して楽しむ姿が多く見られた。

 出発式では針山健史伏木曳山祭実行委員会長が、曳き子がマスクを外したことを挙げ「祭りに対する熱い思いが伝わると信じている」と述べた。全国山・鉾・屋台保存連合会長の橘慶一郎衆院議員、竹内延和県地方創生局長、角田悠紀市長があいさつした。濱谷康弘総々代が出発宣言すると、一番山の寳路(ほろ)町を先頭に、豪華絢爛(けんらん)な花傘を広げた花山車7基がまちなかを巡行した。

 日が暮れると、十七軒町(じゅうしちけんちょう)以外の6基の花山車が、約360個の提灯を付けた提灯山車に装いを変えた。かっちゃは午後7時半ごろと同10時半ごろ、伏木本町の本町広場と伏木中央町の法輪寺前で開催。総代の笛の音を合図に、重さ約8トンの山車を勢いよくぶつけると、「ドーン」という衝撃音と共に提灯が激しく揺れ、熱気はピークに達した。

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行し、多くの曳き子と見物客がマスクを外して祭りを堪能した。囃子(はやし)と共に掛け声や歓声が盛大に響き渡り、マスクの下に隠れていた笑顔が広がった。

 担い手の負担軽減を図り、昨年から開催日を従来の5月15日から5月の第3金、土曜に変更し、巡行の開始と終了時刻を早めた。

  ●桟敷席で満喫

 今年は提灯山車がぶつかり合う「かっちゃ」を間近で見られる桟敷席がコロナ前と同水準となる約370席設けられ、県内外の観光客が祭りの目玉を思う存分満喫した。新田八朗知事や角田悠紀高岡市長、塩谷雄一高岡商工会議所会頭、犬山、長野、敦賀の各商工会議所の関係者も桟敷席から祭りを楽しんだ。

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