「かえんかえー」暗闇の中、にぎわう物々交換 4年ぶりに萬弘寺の市【大分県】

「かえんかえー」の声とともに持ち寄った品の交換を楽しむ参加者=20日午前4時13分、大分市坂ノ市の萬弘寺

 大分市坂ノ市地区で20日未明、「萬弘寺(まんこうじ)の市」名物の物々交換があった。暗闇の中、地元住民や市内外からの参加者が「かえんかえー」と声をかけ合い、持ち寄った物を取り換えた。新型コロナウイルスの影響で4年ぶりに実施。1400年以上の伝統がある行事のにぎわいが戻り、若者からお年寄りまで楽しんだ。

 寺の広場で開会式をし、午前4時過ぎにスタートした。食品や日用品など「もらってうれしい物」を互いに見せ合い、気に入れば交換した。約30分間の取引で会場は大いに盛り上がった。

 同市明野の主婦園田真里さん(54)は、かすみ草を持参して初挑戦し、食品のシリアルを手に入れた。「以前から興味があり、思い切って娘と参加した。とても面白かった」と笑顔を見せた。

 萬弘寺の市保存会の河野雄次会長(62)は「久しぶりの開催だったが、地域の人から初参加の人まで楽しんでもらえて良かった」と話した。

 萬弘寺の市は18日に始まり、24日まで。20日午前10時からは同広場で「こども物々こうかん」があった。

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