柏崎刈羽原発「三つの検証」で検証総括委員長だった池内了氏、「新潟県の総括では東電の適格性議論できない」 新潟魚沼市で講演

三つの検証の総括について講演で見解を述べる池内了氏=5月20日、魚沼市

 原発の安全性を巡る新潟県独自の「三つの検証」で、3月末まで検証総括委員会の委員長を務めた池内了(さとる)名古屋大名誉教授が5月20日、魚沼市で講演した。三つの検証の取りまとめを県が行うことについて「県の総括では(原発を運転する)東電の適格性を議論することはできない」と批判した。

 三つの検証の総括は検証委がまとめる予定だったが、池内氏と新潟県が議題や運営方針を巡り対立していた。花角英世知事が5月10日に県が取りまとめを行うと発表してから、池内氏が公開の場で発言するのは初めて。

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 池内氏は講演で県の総括について「柏崎刈羽原発の安全性に言及しないだろう」と述べ、今後、独自の総括を自らまとめるとした。

 講演は市民団体「柏崎刈羽原発を考える魚沼市民の会(諸橋恵子代表)」が企画し約150人が参加した。

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