卒業生ら、母校に別れ 茨城・稲敷の旧君賀小 解体前に校舎公開

校舎内を撮影する旧君賀小の卒業生=稲敷市下君山

2016年に閉校した茨城県稲敷市下君山の旧君賀小が解体されるのを前に、14、15日の限定で卒業生らに校舎が公開された。約220人が訪れ、小学校時代の思い出に浸りつつ、母校に別れを告げた。

旧君賀小は同年3月末に江戸崎小や旧鳩崎小と再編統合され、閉校した。市は校舎の活用方法を検討したが、耐震性の問題などから使用を断念。本年度中に解体する予定だ。卒業生の寺内里巳さん(57)が「母校がなくなるのは寂しい。最後に皆が足を運ぶ機会をつくりたい」と、市に掛け合って実現した。

初日の14日は幅広い世代の卒業生が途切れることなく訪れ、スマートフォンで写真を撮ったり、思い出話をしたりして懐かしんだ。同級生で仲良し3人組の小林美紀子さん(32)、宮本夏希さん(同)、本谷奈々恵さん(同)は「運動会で鼓笛隊として活動したのが思い出深い」と当時を振り返った。

校庭も開放され、小学生時代のようにサッカーを楽しむ人たちもいた。大野護さん(33)、坂本直之さん(33)、関河友広さん(34)は「小さい学校だったので、学年に関係なく皆仲良しだった。久しぶりに再会できた友人もいて、うれしい」と笑顔を見せた。

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