福井県内のタクシー運賃引き上げへ、2023年秋以降に新運賃スタート 事業者要請受け中部運輸局「改定必要」

 福井県内の複数のタクシー事業者から運賃引き上げの要請を受け、国土交通省中部運輸局は5月19日、県内の運賃改定が「必要」と判断したと発表した。秋ごろに新たな初乗り、加算運賃が設定され、その約1カ月後に各社が新運賃での営業をスタートさせる見込み。県内の運賃改定は消費税引き上げに伴う改定を除き2017年以来となる。

 県内ではあわら市の1社が1月、新型コロナウイルスの影響や燃料費高騰などを理由に運賃引き上げを同局に要請。これを皮切りに3カ月間に21社が引き上げの要請を行い、車両の合計台数が611台となり、運賃改定の審査開始に必要な県内全47社の車両の7割を超えた。同局が複数事業者の21年4月から1年間の収支を算定したところ、総じて赤字が確認されたため改定が必要と判断したとしている。

 同局では今後数年に必要とされる燃料費や人件費、適正な利益などを試算し、秋ごろに改定後の初乗り、加算運賃と約1カ月後の実施日を公表。各事業者は実施日までに新たな運賃を同局に申請する。

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 同局によると、現行の普通車の初乗りの上限運賃は「1.178キロまで580円」、加算運賃の上限運賃は「261メートルごとに90円」。これに対し、県内各社は初乗り運賃「1.06~1.2キロ、600~700円」、加算運賃「120~268メートルごとに90~100円」の幅での引き上げを求めている。

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