5月21日にオートポリスで開催された2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦。決勝後の会見で今季2勝目を飾ったリアム・ローソン（TEAM MUGEN）、2位の宮田莉朋（VANTELIN TEAM TOM’S）、3位の坪井翔（P.MU/CERUMO・INGING）、そしてTEAM MUGENの田中洋克監督がレースを振り返った。
■リアム・ローソン（TEAM MUGEN）
決勝 優勝
「本当にいいクルマ、そしていいレースだった。でもスタートがあまりうまくいかず、一時はポジションを失ってしまった。あれで3番手に落ちたけどクルマは速かった。だから早めにピットに入り、ポジションをどう取り戻すかだけを考えていたんだ」
「ピットアウト後はかなりのトラフィックに引っかかったけれど、それも全部抜くことができた。そしてギリギリにふたり（坪井、宮田）の前に出ることができた。終盤の15周ほどはタイヤを温存しながらだったけど、いいペースをキープするように最後まで頑張ったね」
「（スタートの状況について問われ）週末を通してスタート練習は常にすごく良い感触だったのだけど、なぜかレーススタートの際にはうまくいかなかった。その理由は今後チームと調べていきたいね」
「（ランキングトップ浮上について問われ）次のSUGOも僕にとって初めてのコースになるし、非常にタフなトラックだと思っている。だから不安もあるけど、ポイントリーダーとして挑めることは悪くはないと思う」
「最後に、この場を借りてチームメイトの野尻に感謝を伝えたい。今回彼が走ることができず、僕も本当に残念に感じている。でも彼はサーキットに居続けて、僕たちをサポートしてくれた。彼は本当に素晴らしいドライバーだと思うし、感謝している」
■田中洋克監督（TEAM MUGEN）
「今週の頭からの話になりますが、野尻智紀選手が金曜日に急遽体調不良で欠場することになり、チームとしてもいい流れではないなと感じるなかで予選を迎えました」
「そのなかでも代役の大津（弘樹）選手も頑張ってくれて、リアム選手もポールを獲れそうなスピードもありましたので、レースは十分の戦えるかなと感じていました」
「今日は午前中からリアム選手にはスピードがありました。ただやはりオートポリスは難しいコースですし、リアム選手もオートポリスでのレースは初めてですから、『そう簡単にはいかないよな』と思いつつでしたね」
「でもレースでは、牧野（任祐／DOCOMO TEAM DANDELION RACING）選手がアンダーカット組のトップを走っていて、ペースも良かったので、それに合わせてこっち（ローソン）も早めにピットに入ったのですけども、そのあと途中『やってしまった』という思いもありました。ステイ組に引っかかった時ですね」
「本来であればそこで引っかかってペースを上げられずに下位に沈むケースもありますが、リアム選手は自力で前のクルマを抜いてペースを上げて、結果的には自力、ドライバーの力で勝ちとったレースだったと思います。改めてリアム選手の凄さを感じることができました。残りのシーズンも本当に楽しみです」
■宮田莉朋（VANTELIN TEAM TOM’S）
決勝 2位
「4番手からだったので、スタートから1周目にしかチャンスはないと思っていました。でも、普通のスタートで4番手のまま（1周目が）終わってしまいました」
「なので、ここから前がピットに入ればそこでプッシュする必要があったし、そこからはどれだけ裏のトップと差をつけるか、逆転されないようにいかに頑張るかでしたので、そういう部分では自分たちはやりきったかなと思うのですけど、ストラテジーの部分で少し問題もあったと思いますし、そこはチームと改善すべきポイントだと思います」
「とは言いつつも、クルマは鈴鹿に続いて力強いパフォーマンスを発揮できましたし、このオートポリスでリスタートしてから2周後にオーバーテイクもできたので、そういう部分でも自身にとっても自信になるレースができたと思います。その部分に関しては、チームのみなさんに感謝しています」
「（ストラテジーの部分で少し問題とは、と問われ）ノーコメントはダメですか？ リアム選手がほぼミニマムでピットに入ったのは見ていたので、僕は前が開けてペースよく走り、坪井選手とのギャップを縮めているところでした。そのあたりの数周でチームとの連携というか……判断ミスをしてしまったのかなと思います」
「（早めにピットに入ればよかったということかと問われ）入るべきだったかなというか……その後セーフティカー（SC）も入ったので……。少し残念なところだったなという感じです」
■坪井翔（P.MU/CERUMO・INGING）
決勝 3位
「この場（決勝トップ3会見）に慣れてきたと言いますか。去年まではここに来ることすら遠い存在だったのですけど、やっとここに来て悔しいと思えるくらいに成長できたのかなと思っています」
「レースに関しては少しペースが足らなくて、SCのタイミングも最悪だったのですけど、どっちにしてもペースがなかったことは事実なので、今回遅かった理由をしっかり見つけなきゃいけないなと思ってはいます。でも、3戦連続表彰台に上がっていますし、毎年タイトル争いしているドライバーたちの中にやっと割って入れるくらいの速さが出てきたので、そこはすごくポジティブだと思います」
「どのサーキットに行ってもそれができているので、P.MU/CERUMO・INGINGとしては、だいぶ兆しが見えてきたと思います。次はSUGOですが、いい流れで来ていると思うので、あとひとつかみ合えば、優勝も見えると思いますので、こういったレースを続けられるようにしていきたいなと思います」
「（ペースが足りないと感じたのはいつからかと問われ）最初からあまりいいフィーリングではなかったので、ごまかしながら走ってはいました。序盤は思っていたよりも詰められる雰囲気がなかったのですけど、周回を重ねていくとだんだん追いつかれて。『やっぱりな』と。序盤から感じていました。そこ（ペース不足）は改善しなければと思います」
