EU加盟へ政府主催の大規模集会 モルドバ、大統領が国民結束訴え

21日、モルドバの首都キシナウで行われたEU加盟を目指す集会で演説するサンドゥ大統領(ロイター=共同)

 旧ソ連モルドバの首都キシナウで21日、欧州連合(EU)加盟を目指す政府主催の「欧州のモルドバ」と銘打った集会が開催され、警察発表で数万人が参加した。国内に親ロ派支配地域も抱える中、親欧米のサンドゥ大統領が演説し、加盟実現へ国民に結束を訴えた。モルドバは昨年6月、隣国ウクライナと共にEUの加盟候補国に認定されている。

 サンドゥ氏は「2030年までに正式加盟国になるのが目標」と強調。「ロシアの脅迫や貧困、汚職の中で暮らさないよう国民が選んだ道だ」と述べた。欧州議会のメツォラ議長も演説し「年内の(加盟)交渉開始を望む。(ロシアが)国を不安定化させる試みは失敗した」とした。

 参加者はモルドバと欧州の旗を手に「欧州、欧州」と連呼。国旗を掲げた男子高校生イリヤさん(17)は「ウクライナの惨状を見ても、ロシアのすることは最悪だ」と話した。

 モルドバは東部にロシア軍が駐留するロシア系住民支配地域「沿ドニエストル共和国」を抱える。侵攻のあおりで物価が高騰し、親ロ派野党などのデモも散発している。

21日、モルドバの首都キシナウで開催されたEU加盟を目指す集会(AP=共同)

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