ATM引き出し限度額「引き下げ」を 特殊詐欺や窃盗被害防止で呼びかけ

ATMの引き出し限度額の引き下げを呼びかける署員(京都府警京田辺市山手南・京都銀行松井山手支店)

 特殊詐欺や窃盗の被害の拡大を防ぐため、京都府警田辺署は京都府京田辺市のJR松井山手駅前周辺の金融機関6店舗で、利用者にATMの引き出し限度額の引き下げを呼びかけた。署員らが実際に設定方法を説明しながら、被害防止対策への理解を求めた。

 現在、ほとんどの金融機関では、1日の引き出し限度額は50万円に設定されている。限度額は自分で設定を変更できる。あらかじめ引き下げておくことで、特殊詐欺被害に遭い、キャッシュカードを取られたとしても、犯人がATMから引き出す際に被害額を少なく抑えられる。

 店頭では綴喜防犯推進委員会のメンバーや署員ら約20人が、チラシなどを配りながら約1時間、利用者に呼びかけた。その結果、24人が引き下げに応じた。一方で「生活が不便になる」「面倒が増えそう」などの理由で断る人もいた。

 田辺署管内の今年1~4月の詐欺被害は6件で、被害総額は640万円。前年同期より5件多く、被害額も618万円増えた。被害6件の内訳はキャッシュカード詐取と「オレオレ詐欺」が各2件、還付金と融資保証金名目が各1件だった。

 同署生活安全課は「自分の大切な財産を守るための手段として、活用してほしい」と限度額引き下げを促している。

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