4年ぶり、通常開催 山形ドキュメンタリー映画祭・10月5~12日、「香味庵クラブ」は場所変え復活

4年ぶりの通常開催に向け、意気込みを見せる映画祭の事務局員ら=山形市・やまぎん県民ホール

 認定NPO法人山形国際ドキュメンタリー映画祭(伊藤光一郎理事長)の総会が21日、山形市のやまぎん県民ホールで開かれ、今年10月開催の映画祭を中心とした2023年度事業計画を決めた。通常開催は4年ぶりで、映画祭の社交場として親しまれた「香味庵クラブ」は場所を変更して復活。特集プログラムでは、国連教育科学文化機関(ユネスコ)創造都市から公募した作品を紹介する企画などを展開する。

 同映画祭は今年10月5~12日に開かれる。前回2021年は新型コロナウイルス禍のため初のオンライン開催となった。香味庵クラブは1993年から同市の漬物店「丸八やたら漬」を会場に実施してきた。映画祭の代名詞にもなっていたが、2020年に同店が廃業したため、山形七日町ワシントンホテル2階のレストラン「三十三間堂」に場所を変えて再始動する。

 メインのコンペティション2部門のほか、特集プログラムは8企画を予定。ユネスコ関連のプログラムは、創造都市ネットワークに映画分野で加盟する20都市から公募した作品から、アニメやフィクションを含む8作品を紹介する。山形市などと共催し、市制作の5作品も取り上げる。記録映画作家で詩人の野田真吉(1916~93年)の活動を回顧するプログラムや、昨年急逝した映画祭理事・高橋卓也さんの追悼上映なども予定している。

 総会後に記者会見も開かれ、畑あゆみ事務局長が「みんなで映画を見て語り合う場を30年以上大事にしてきた。4年ぶりに多くの人に来てもらい、実りある映画祭にしたい」などと語った。

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