北条VS豊臣…433年前の攻防戦を再現 玉淀河原で伝令、「三献の儀」も 鉢形城跡残る寄居で北條まつり

よみがえった戦国時代の攻防戦=21日午後、埼玉県寄居町の玉淀河原

 戦国時代の鉢形城の攻防戦を再現した「第62回寄居北條まつり」が21日、埼玉県寄居町の玉淀河原などで行われた。大砲から放つごう音が鳴り響く中、北條陣と豊臣陣が壮烈な戦いを披露し、観客を魅了した。

 新型コロナウイルス感染症の影響でまつりは2020年と21年は中止。昨年は時期を10月にずらし規模を縮小して実施した。4年ぶりの5月開催で大勢の人が訪れ、河原に現れた戦国絵巻を楽しんだ。

 まつりは、1590(天正18)年、豊臣秀吉の小田原征伐の際、鉢形城に陣取った郷土の武将北条氏邦が3500人の兵士で、前田利家と上杉景勝が率いる5万人の豊臣陣を相手に1カ月余り戦った様子を再現している。

 寄居駅南口から合戦会場までの約1キロを甲冑(かっちゅう)姿の約500人がパレード。この後、玉淀河原に伝令が届くと、出陣前の儀式「三献の儀」が行われた。武者が両陣営に分かれ、迫力ある合戦を繰り広げた。

 北條陣を演じた町立寄居中学校の女子剣道部員らは「この格好で戦ったのはすごい」とやり切った様子。企画祭事部長の北原定行さん(68)も「台本通りに進められ、今年は最高」と話していた。

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