イラストレーター、デザイナーとして活躍し、映画「麻雀(マージャン)放浪記」の監督や「キネマ旬報」連載のエッセーでも知られた和田誠さんの仕事を振り返る展覧会が20日、京都市下京区の美術館「えき」KYOTOで始まった(京都新聞など主催)。著名人の似顔絵や絵本原画など千点以上の作品と資料が並び、和田さんならではのしゃれたセンスと優しさが堪能できる。
和田さんは2019年に83歳で亡くなるまで美術、音楽、映画など多分野で活躍し、著書も200冊以上残した。会場では、その仕事を30項目に分けて紹介している。よく知られた週刊文春の表紙は500点以上を並べた。
20代で手がけたルイ・アームストロングなどジャズの巨匠のレコードジャケットは、和田さん自身が「ぼくの仕事の原型」と語る通り、特徴の捉え方やデザインの巧みさが際立つ。クリント・イーストウッドなど映画人の肖像も楽しい。
制作風景の映像では、イラストを1時間余りで仕上げるなど仕事がとても速かった和田さんの筆さばきを見ることができる。6月18日まで。無休。有料。