G7広島サミット 3日目(5月21日)を振り返る

激動のサミットの3日間、最終日(5月21日)の動きをまとめました。

G7広島サミット 最終日(5月21日)

サミット3日目、岸田総理と韓国の 尹錫悦 大統領が夫人を伴って平和公園の韓国人原爆犠牲者慰霊碑へ…。原爆では、多くの朝鮮半島出身者も犠牲に…。

1970年に建立された慰霊碑。日韓首脳による献花はもちろん、現職の韓国大統領が広島を訪問すること自体、今回が初めてです。

在日韓国人被爆者 朴南珠さん
「本当に長生きしてよかった。その感謝の気持ちでいっぱいだった。日本と韓国は近くて遠い国といわれていたが、本当にきょうは近い国だなと」

この後、岸田総理は、サミットの拡大会合に招待した8か国の首脳や国際機関のトップと平和公園を訪問。一行は、原爆資料館も見学しましたが、核保有国インドの首相が資料館を訪れるのは、初の核実験を行った1974年以来、初めてです。

サミットの閉幕にあたり、岸田総理が議長国として会見です。

岸田総理
「今、われわれは、ロシアによるウクライナ侵略という国際秩序を揺るがす課題に直面しています。今のような厳しい安全保障環境だからこそ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持し、平和と繁栄を守り抜く決意を世界に示す。そのような決意を示すうえで、平和の誓いを象徴する広島の地ほどふさわしい場所はありません」

岸田総理は、このように述べたうえで、核軍縮に焦点を当てた「広島ビジョン」の意義を強調しました。

岸田総理
「被爆地を訪れ、被爆者の声を聞き、被爆の実相や平和を願う人々の思いに直接触れたG7首脳がこのような声明を発出することに歴史的な意義を感じます。われわれ首脳は、2つの責任を追っています。1つは、現下の厳しい安全保障環境の下、国民の安全を守り抜くという厳然たる責任です。同時に、核兵器のない世界という理想を見失うことなく、それを追い求め続けるという崇高な責任です」

会見が行われた平和公園の近くには、横断幕を掲げる若者たちの姿も…。

カクワカ広島 共同代表 田中美穂さん
「わたしたちが求めているのは『核廃絶』なんです。『核軍縮』と『核廃絶』の溝も今回、見えたかなと思っています。これまで発せられてきたことが全て含まれているだけっていう感じだったように見えたので、そこがやっぱり評価できないですね」

厳戒態勢の中、3日間の議論を終えたG7広島サミット…。ゼレンスキー大統領の電撃訪問もあり、世界の注目は一段と高まりました。

日が落ちた後、街では、警察車両の動きが活発になりました。警察官がカラーコーンや柵などを片付ける姿も見られました。

警察官
「平和に終わって、よかったです」

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