「鳥獣対策隊」に19歳のハンター 徳田陽与さん、食害防止に意欲

雫石町の鳥獣被害対策実施隊に最年少で加わった徳田陽与さん

 狩猟者の高齢化が進む岩手県で「大学生ハンター」が誕生した。雫石町繋の岩手大農学部1年徳田陽与(ひよ)さん(19)が町の鳥獣被害対策実施隊に最年少で入隊した。18歳だった高校3年時にわなの狩猟免許を取得しており、今春からのキャンパスライフで自然の生態系や環境保全の学びを深める。野生鳥獣による食害を気にかけ「人と動物のためになる」と意欲を燃やす。

 オレンジ色の真新しいベストと帽子を身に着け、笑顔を見せる。今春、徳田さんら19~81歳の町民10人に、これら隊員の「証し」と辞令が交付された。

 カモシカ、タヌキ、イノシシ-。徳田さんが暮らす七ツ森地域は文字通り七つの低山が連なり、幼少時代から身近な動物が大好きだった。一方、七ツ森小に通っていた頃はクマが出没して集団下校することも頻繁にあった。祖父の畑で農作物が食べられる被害を目の当たりにし「ハンターの必要性を感じた」。

 獣害は知りつつも「動物の命も平等」と駆除することには抵抗感があった。だが盛岡中央高3年時に参加した県や町主催のハンター育成研修会で、動物の命と向き合う姿勢を知った。「捕まえたら食べることも含め最後まで命を大切にする」と心に決め、18歳以上で可能なわな猟の免許を取得。狩猟者登録を行い、県の猟友会にも加入した。

© 株式会社岩手日報社