霧だ! 馬だ! トゥルーリ(父)だ! 記者会見にはくまモンも乱入【SF写真アラカルト第4戦】

 2023年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦は、年に一度の“九州決戦”として定着した大分県はオートポリスでの一戦。レースの方も熱かったですが、その裏では九州ならではの光景もいくつか見られましたので、今回も写真アラカルト、行ってみましょう!

■オートポリスは雲の中

 やってきましたSFの“フライアウェイ”ラウンド(大げさ?)、オートポリス。木曜日の現地は雨、熊本空港に着陸できず福岡にダイバートした便もあったと聞いて戦々恐々としていましたが、as-web取材班が乗った金曜朝の飛行機は、無事熊本空港にランディング。ターミナルはここ数年続いていた改修工事が終わり、綺麗に。新築のか・ほ・り・!

 空港北側の大津周辺は曇りだったのですが、山道を走りサーキットに近づくにつれて霧と雨……というか、『雲の中』へと入ってしまった感じで、オートポリスに到着すると本降りの雨。なかなかキビしい週末の幕開けです。

「ピットロードの短さがありがたい(タイムロスが少なく、状況次第では2ストップなども有効になる)」とチーム関係者が口にするほど、短めなピットロードを持つオートポリスですが、入り口付近から出口は見えませんね……。

 車検を待つ平川亮選手の20号車も、こんな感じで雨宿り。

 今回は、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の開幕ラウンド。ヤルノ・トゥルーリのご子息、エンツォ選手もこの前日から走行していました。目線、ありがとうございます。

 で、今回はお父さんのヤルノさんもいらしてましたよ。あの元F1ドライバーのヤルノ・トゥルーリがオートポリスにいる……ちょっと不思議な感覚でした。

 金曜日のサーキットに衝撃が走ったのが、野尻智紀選手の欠場アナウンス。噂を聞きつけ正式発表前にピット裏へ向かいましたが、大津弘樹選手への代役打診・そして各種手配もあってか、この日のTEAM MUGENはバタバタしており、田中洋克監督にお話を伺うのにはちょっと時間がかかりました。野尻選手の無事の回復を祈るばかりです。

 そうこうしているうちに雨が止み、霧も少し晴れてきましたね。これで土曜日に向けてはホッとしたのですが、帰りの山道は濃霧。慎重に運転して帰ってきましたよ。

■スタート練習も“激感”

 明けて土曜日。駐車場からパドックへと向かう際、イベントエリアの片隅に馬を見つけたので写真を撮らせてもらいました。こちら、阿蘇市にある『エル・パティオ牧場』さん。サーキットへの“出張”時は引き馬体験ができますが、牧場ではより本格的な乗馬体験などもできるとのこと。皆様も阿蘇方面にいらした際には、ぜひ。

 土曜朝の時間帯に、オープンピットが行われるのもいいですね。まさに早起きは三文の徳、というやつでしょうか。

 もうひとつの併催レース、N-ONEオーナーズカップの走行は、なんといってもその参戦台数の多さが魅力。自ら参戦経験を持つ場内実況担当のピエール北川アナウンサーの“愛のこもった実況”が、またいいですよねぇ。

 N-ONEでは赤旗もあったものの、SFのフリー走行はオンタイムで開始。オフィシャルさんはじめ競技役員の方の努力の賜物ですよね。頭が下がります。代役の大津弘樹選手を先頭にコースインしていきます。

 オートポリスでは決勝スタート時を除き、このピットロードエンドのガードレール脇までメディアのフォトグラファーは入れるのですが、すぐ横でスタート練習が行われるんですよね。迫力がすごいです。

 この場所、上から見るとこのような感じ。観客の皆さんからも、かなり近い位置でスタート練習が観察できるかと思います(さすがにガードレールがあるので、マシン全体を見ることはできませんが)。

 フリー走行が終わるあたりから、しっかりと晴れてきました。今回はSFとSFLがピットを使っているのですが、余ったスペースはこのように“激感ピット”となっており、ピットレーンを間近で見られるようになっていました。

■宮田莉朋からの切実なお願い

 土曜の昼にJRPが開くメディア向けの“サタデーミーティング”。今季はここまで毎回異なる趣向の会見がセッティングされ、今回の第1部は前戦鈴鹿で初優勝を飾った宮田莉朋選手、そして坪井翔選手の2名が登壇する形でした。スーパーGTではチームメイト、ですね。

 その場での話題のひとつに、鈴鹿での宮田選手のアツい無線が上がりましたが、宮田選手いわく、前後もちゃんと聞いてほしい、と。放送では周囲のライバルのOTS使用状況をなかば“キレ気味”にピットへと尋ねていたシーンが流れましたが、ご本人いわく「すでに2回訊いているのに返答がなく、3回目だった」とのこと。皆様、SFgoアプリでご確認を。

 続いて第2部はオートポリスのアンバサダーに就任した熊本県出身・吉田広樹選手と三好理文社長の会見。吉田選手は今回、場内放送の解説も務めていらっしゃいましたね。

 その会見の最後に、ご存知熊本県PRマスコットキャラクターのくまモンがサプライズ登場。会見場背後の部屋に、ずっと潜んでいたんですね。『乱入』と表現してもいいくらい、アグレッシブな動きとともに登場したくまモンですが、カメラを向けるとスッと止まってくれるあたり、プロ意識が非常に高いです。

 明けて日曜。この日は朝から晴天でした。日向は半袖短パンでも良さそうな雰囲気。ちなみにオートポリスのプレスルームは3階にあるので(他の多くのサーキットは2階)、パドック全体がより高い位置から見渡せます。

 そういえば、3月の鈴鹿テストに引き続き、ホームストレートにはSFLのエンツォ・トゥルーリ選手を応援する横断幕も掲出されていました。

 パドックでは、決勝に向けては各チームがタイヤを“天日干し”し、温めています。戦前から、タイヤのパフォーマンスがカギになるとされていましたが、まさにそんな展開となりましたね。

 スターティンググリッドには、欠場した野尻選手の姿も。週末を通して、TEAM MUGENのふたりをサポートしていました。決勝後の会見でローソン選手も感謝の言葉を述べていましたが、素晴らしいチームワークだな、と。

 この日もサーキットに出没していたくまモンは、どこでも大人気。武道家で東京大学の光吉俊二特任准教授との共演も実現しましたよ。画が強い……。

 最後になりましたが、今週のリアム・ローソンさんです。ご存知のとおり、早くもシーズン2勝目。若いのに、ベテランの如きレース運びでしたね。温泉マークの入ったトロフィーとのコラボ写真をどうぞ。

 いつものことながら、決勝後の我々メディアの作業は深夜に及び……22時過ぎのパドックは、すっかり空っぽでした。西に来ると日没が遅いので、作業も引っ張りがちです(言い訳)……。

 さて、スーパーフォーミュラの次戦は宮城県のスポーツランドSUGOヘ。熱戦を楽しみにしたいと思います。それでは、また!

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