自民市議の父、選管委員なのに選挙運動はがき発送 公選法違反疑い書類送検

京都府警本部

 4月9日投開票の京都市議選で、選挙管理委員でありながら自民党井上与裕(よしひろ)市議(45)=右京区選出=への選挙運動を行ったとして、京都府警捜査2課と右京署が公選法違反(選挙運動禁止)の疑いで、井上市議の父で元市議会議長の井上与一郎氏(78)=同区=を書類送検したことが22日、捜査関係者への取材で分かった。送検は17日付。

 書類送検容疑は、3月中旬、公選法で選挙運動が禁止されている特定公務員にあたる市選挙管理委員でありながら、市議選の告示日(同31日)に右京区で行われた与裕候補の出陣式を案内するはがきを複数の有権者に発送した疑い。

 与一郎元議長は京都新聞社の取材に対し「何も言わない。ノーコメント」と話し、容疑について肯定も否定もしなかった。与裕市議は「私が答える立場や義務はなく、その必要もない」と述べた。

 市選挙管理委員会によると、与一郎元議長は2021年6月に委員に就任し、25年6月までが任期だったが、先月14日付で「体調に不安がある」と辞任していた。

 与一郎元議長は1979年から2019年まで市議を連続10期務め、平成以降で唯一、議長を2度歴任した。与裕市議は父の地盤を継いで19年4月に初当選、先月の市議選で再選した。与裕市議を支持した関係者は「日本維新の会に勢いがあり、陣営に焦りがあった」と話した。

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