「スマホを確認させてください」 教員志望の大学生が盗撮犯を制止、逮捕に貢献

田村署長から感謝状を受け取る上兼栗さん(向日市上植野・向日町署)

 電車内での盗撮容疑者の現行犯逮捕に貢献したとして、京都府警向日町署は19日、京都府長岡京市の大学4年上兼栗こころさん(24)に感謝状を贈った。

 4月24日朝、市内の中学校でのボランティアに向かっていた上兼栗さんは阪急西山天王山―長岡天神間を走る電車内で、女子高生のスカート内に男がスマートフォンを入れたカバンを差し入れたのを目撃した。

 「スマホを確認させてください」と声をかけ、逃げようとする男を制止。長岡天神駅で下車し、駅員や署員に引き渡した。

 上兼栗さんは「高齢の方に席を譲るような感覚で体が動いた」と振り返った。教員を志しており「子どもたちが正しいことを自信を持ってできるよう、姿で見せられる教師になりたい」と語った。

 田村博之署長は協力に感謝。痴漢や盗撮への対処法を記した府警鉄道警察隊のハンドブックを紹介しながら、犯罪のない社会づくりへ一層の協力を依頼した。

盗撮容疑者の現行犯逮捕に貢献したとして贈られた感謝状を手にする上兼栗さん(中央)=向日市上植野・向日町署
事件発生時を振り返る上兼栗さん(向日市上植野町・向日町署)

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