「国際社会が一致し行動を」 長崎市長、8月9日平和宣言で訴えへ  G7広島サミット閉幕受け

 長崎県長崎市の鈴木史朗市長は22日の定例会見で、被爆地広島であった先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)閉幕を受け、G7首脳らに「核兵器のない世界を実現するため、国際社会が一致し行動を」と求め、被爆地の訴えとして8月9日の平和祈念式典で読み上げる平和宣言文に盛り込む考えを示した。
 ロシアのウクライナ侵攻で核の脅威が続く国際情勢下でのサミット開催。鈴木市長は「首脳が『核兵器の使用と威嚇は許されない』ということにコミットした」と評価した上で、「しっかりと行動につなげる必要があるが、具体的な道筋はまだ見えない」とした。
 首脳らと広島の被爆者との面会について「被爆の実相に触れ、心に感じるものがあったのでは」と意義を強調。長崎の被爆者との面会がなかったが「被爆地を代表し、実相を伝えてもらった」と理解を示した。
 「核軍縮に関する広島ビジョン」が発表されたが、核兵器禁止条約への言及がないなど「不十分なところはある」としつつ「核軍縮に焦点を当てた成果文書は初めて。核軍拡に向かう流れを変える転換点に」と期待を寄せた。
 核抑止を正当化する内容だったことには「核兵器に頼らない社会を実現するよう日本政府が動くことを求めていく」と述べた。

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