福井発の量販店PLANT、唐揚げ全国グランプリで最高金賞 中日本エリア総菜部門、ヘルシー志向こだわりの味

第14回からあげグランプリの中日本スーパー総菜部門で最高金賞に輝いたPLANTの唐揚げ=福井県坂井市の同社本社

 PLANT(本社福井県坂井市、三ッ田佳史社長)が約2年かけて開発した鶏むね肉の唐揚げが、「第14回からあげグランプリ」の中日本スーパー総菜部門で最高金賞を受賞した。顧客のヘルシー志向に配慮し、脂身が少ないむね肉を風味豊かな県産塩で味付けした自慢の商品。県内企業の最高金賞受賞は初めてで、担当者は「多くの人が協力してくれた結果」と喜んでいる。

 日本唐揚協会が「日本一おいしいからあげ店を決める」と銘打ち毎年開催している。飲食店部門とスーパー総菜部門があり、スーパー総菜部門は全国4エリアで最高金賞、金賞を選出。同社は前回は金賞で、改良を重ねて再挑戦し頂点に立った。

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 商品開発のきっかけは、顧客からの「脂身の少ない唐揚げもほしい」というリクエスト。ジューシーに仕上がるもも肉と違って、むね肉は脂身が少なく歯ごたえは良いが、パサパサした食感になる恐れもある。

 いかに味わい深くするか悩んでいたメニュー開発部の田地明枝部長(50)が2年前に出合ったのが、越前海岸沿いの志野製塩所(福井市)の天然塩。海水をくみ上げ、まきの火で煮詰めて作る塩のうま味が唐揚げを引き立てる。塩こうじや石川県のいしる(魚醤(ぎょしょう))なども加えた特製たれに鶏肉を漬け込み、低温でじっくり揚げることで、軟らかく仕上げた。「和香る国産鶏むね塩唐揚げ」として、昨年3月に販売を始めた。

 第13回グランプリに出品したが惜しくも金賞。その悔しさから社内で試食を重ね、ユズ果汁で爽やかな後味を加えるなど改良を繰り返し、自慢の逸品が完成した。

 今グランプリで、中日本エリアは近畿、中部地方の16府県32社がエントリーした。総菜のため調理して1時間後にチェックされ、プレゼンテーションも審査の対象となった。田地部長は「総菜需要は高く、幅広い年代に受け入れられる商品を作り続けていきたい」と話している。100グラム当たり213円。PLANT全店舗で販売している。

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