ツバメ3種の巣、福井県全域と石川県南部で市民調査 野鳥愛好家団体など、分布マップ作成へ

ツバメの巣の分布調査に取り組む出口翔大さん(右)と大坂英樹さん=福井県の福井市自然史博物館

 福井、石川両県の野鳥愛好家でつくる団体「イロドリ」と、市民による生き物調査をIT技術でサポートする企業「トリルラボ」(福井県越前市)が、福井県全域と石川県南部を対象にツバメ3種の巣の分布調査を市民参加型で始めた。調査は7月末までの予定で、寄せられた情報を基に分布マップを作成し、身近な自然や生物多様性に関心を高めてもらう。

 イロドリによると、ツバメ、イワツバメ、コシアカツバメの3種は全国的に生息数が減少している。昨年は福井市を対象に同様の調査を行い、約240件の情報が集まり、他市町からも100件以上寄せられた。

 今回は範囲を拡大し、3種の生息状況や生息環境を詳細に調べる狙い。多くの人が参加することでより正確なデータを得ることができるという。スマートフォンなどから専用サイトを通じ、目撃したツバメの種類や巣の写真、場所を送信してもらう。個人情報の登録は不要。ツバメの見分け方はサイト内で説明しているほか、巣の写真や場所でも判別できるという。

 イロドリ代表で福井市自然史博物館学芸員の出口翔大さん(33)とトリルラボ代表の大坂英樹さん(60)は「ツバメは生物の多様性の良い指標にもなる。楽しみながら一緒に調べてほしい」と呼びかけている。

 福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス「ミラカナ」で調査の運営費の支援を募っている。締め切りは5月31日。目標金額は30万円で、支援はミラカナ特設ページから。返礼品として、オリジナルステッカーやTシャツ、調査報告書などがある。

 ◇ミラカナとは 福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス。県内でプロジェクトを始める人の資金調達を応援するプラットフォームとして福井新聞社、福井銀行、福邦銀行が連携。CFのレディーフォー、応援購入サービスのマクアケいずれかを通じて支援・購入を募る。累計支援額は1億7千万円、プロジェクトの達成率は92%(数字は2023年3月末時点)。

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