G7広島サミットの “警備完遂” 派遣部隊も帰路に 小学生「警察官になりたい」住民「いなくなってさみしい」 県警トップはお好み焼きに例えて…

G7広島サミットが終わり、全国から派遣された警察官も地元の警察に帰っています。長期間の大規模な警備で、住民と警察の交流も生まれていたようです。

帰っていく警察車両からのアナウンス(22日)
「ご協力、ありがとうございました。ありがとうございました」

広島市の元宇品地区から帰っていく警察車両…。住民たちが感謝のボードを掲げて、見送っていました。

主な会場となったホテルがあり、「サミットに一番近い街」だった元宇品…。長期間、警備が続く中、住民たちと警察官の交流も生まれていたようです。

元宇品町内会 門隆興 会長
「警察官がお帰りになって静かになったら、ちょっとさみしいなと感じた人もいるんじゃないでしょうか」

広島県警によりますと、警察はサミット期間中、最大で2万4000人規模で警備にあたりましたが、このうち2万1000人は県外から派遣された警察官でした。

元宇品で働く人
「常にいるというのが当たり前になっていたので、急にいなくなってしまってさみしいなと…」

元宇品小学校 6年 西村ひなた さん
「警察官とあいさつができるようになったりとか、少し話せるようになったりしました。わたしの将来の夢も警察官になりたいので、その夢に向かってがんばりたいです」

元宇品地区では、多くの警察官がいるのが、当たり前の「日常」になっていたようです。

サミットの警備にあたった特別派遣部隊は、開催前から長い時間をかけて準備をしてきました。交通や警護の仕事のほか、抗議活動や不審者・不審物への対応など、多岐に渡りました。

群馬県警の警察官(21日)
「渡られますか? こっち? どうぞ、お気をつけて行ってください」

期間中、首脳などが移動する道沿いには、絶え間なく警察官が立っていました。

群馬県警の警察官
「もしかしたら、この先でまた別の交通規制をやっていて、止められてしまうかもしれが、ご了解ください。申し訳ないです」

帽子を落とすと拾って、すかさず渡しに行く姿も…。

また、こちらは、鹿児島県警。

鹿児島県警の警察官
「この中のほうに入ってください」

20日には、主会場がある元宇品の唯一の入口には、急きょ来日したウクライナのゼレンスキー大統領を一目見ようと、たくさんの人が集まりました。

鹿児島県警の警察官
「今、集まっている方、お手持ちの荷物がありましたら、チャックがあったらチャックをして、足元に置いてください。後ろの方が見えませんので、前の人はしゃがんで、後ろの方が見えるようにしてください」

そして、サミットが閉幕…。

21日夜の街では、警察車両の動きが活発になりました。警察官がカラーコーンや柵などの後片付けをしていました。

大阪府警の警察官
「平和に終わって、よかったです」
― お疲れさまでした。
「ありがとうございました」

そんな「特別派遣部隊」の離県式が23日、開かれました。式には、全国から派遣されていた警察官およそ200人が参加しました。

広島県警の森元本部長は、広島市出身…。空前の警備態勢を “お好み焼き” に例えて、部隊をねぎらいました。

広島県警 森元良幸 本部長
「生地・野菜・そば・肉・玉子等々が積み重なって、まさに、われわれが実践したような重層的な構造となっています。各具材が相互の味を引き立て、まさにわれわれ同様、全体が部分の総和を超える食べものとなっています」

「各県に戻られてから以降も機会がございましたら、お召し上がりいただいて、そのたびに広島サミット警備を思い出していただければと思っています」

【スタジオ】
本当に思い出していただきたいですね。

視聴者からいただいたメールです。
「きょう、里帰りする娘を迎えに新幹線の待合室で待ってると、後ろの席でG7で大活躍された警察官の方々が帰られるときでした。そこでに話をされていて、『広島県に初めて来たけど、礼儀正しい人が多いね。俺さ、小さい子どもさんに広島県に来てくれてありがとうって言われて、本当にうれしかった』と話す内容を聞いて、うれしかったですし、警察官の方々も本当にお疲れさまでしたと思いました」

お互いにありがとうございました、お疲れさまでしたと言い合えるような雰囲気ですね。

ぜひまた、プライベートでも広島を訪れていただきたいですね。

知り合いのお好み焼き店に確認すると、「自由時間少なかったんだけど、お好み焼きだけは食べておきたい」って、警察官の方で大繁盛だったそうです。

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