トヨタテクニカルディベロップメント、「デジタル開発センター」開設へ。モビリティのシミュレーション環境提供

デジタル開発センターでは、モビリティの制御開発に必要なシミュレーション環境を構え、すぐに、一緒に、共創し、タイムリーに支援・創出・サービスを提供するとしている。

背景

カーボンニュートラルがグローバルで叫ばれ、スマートシティ、DX、CASEと大変革の社会において、市場の需要へ、より早く商品を対応すべく、商品開発の加速は重要な要素となっている。特に、ソフトウェアファーストでの制御開発においては、シミュレーションツールの活用は開発を加速する手法として有効とされているという。

一方、開発の現場においては、開発を加速させる最適な評価手法の研究、開発工程間での資産の利活用、評価に必要な設備投資(予算や導入期間)など、本来の制御開発以外の対応により高負荷になっている。

シミュレーション環境を駆使し制御開発を加速するには、様々な課題(障壁)が存在する。それらの課題に対し、TTDCは「デジタル開発センター」において、製品開発をされる技術者と一緒に解決していく方針。

概要

シミュレーション(MILS/SILS/HILS/VILS/Driving Simulator)環境をはじめ、目的にあったシミュレーションモデル、評価シナリオの自動生成等、多様なシミュレーションツールをつなぎ、最適な評価環境を提供する。さらに、最先端設備と技術ソリューションを取り揃えており、すぐにその場でトライできる。

シミュレーション:MILS/SILS/HILS/VILS

  • MILS(Model-In-the-Loop-Simulation):制御装置と制御対象等のモデルを用いたシミュレーション
  • SILS(Software-In-the-Loop-Simulation):制御装置と制御対象等のソースコードを用いたシミュレーション
  • HILS (Hardware-In-the-Loop-Simulation):実ECUを用いたシミュレーション
  • VILS (Vehicle-In-the-Loop-Simulation):実車を用いたシミュレーション

また、エンジニアリングサービスでは、同社のスペシャリストがシミュレーション環境の導入から活用、ユーザーに代わって評価・解析を行うテスティングサービスまで、幅広くサポートし、ユーザーの商品開発の加速を支援する。

主なコンテンツと提供サービス

多様なシミュレーションツールを駆使したコンテンツを取り揃え、体感や開発に活用できる。

デジタル開発センターでは、モビリティの迅速な制御開発に向けて、シミュレーションツールの利活用、設備導入から開発プロセスへの定着、さらには技術者の育成まで、幅広くサポートする。

  • シミュレーションツールを使用した評価・解析サポート
  • PoCから運用までの共創サービス(MBDやAIを活用した技術支援)
  • シミュレーション環境の構築支援
  • ソフトウェア技術者の育成

※ CI/CD(Continuous Integration/Continuous Delivery):ソフトウェア開発の各プロセスを自動化し、継続的にリリースできるようにしておく開発手法

今後の展開

TTDCでは、これまでもバーチャルとリアルを融合する技術でユーザーの商品開発に最適な環境の構築を支援してきた。そこで培った技術・経験をデジタル開発センターへ集約し、よりユーザーの身近な存在として支え、日々進歩する最新技術への教育および技術を鍛える場として、デジタル人財の育成にも活用することで、モビリティ社会の変革・発展に寄与するとしている。

今後、同社はデジタル開発センター開設に向け、AD/ADAS、EV開発を中心に開発環境を整えていくとしている。

▶︎トヨタテクニカルディベロップメント

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