元自衛官の前福知山市議、法定額超える報酬支払った疑いで書類送検

京都府警本部

 4月23日投開票の京都府福知山市議選で、選挙カーに乗る運動員に上限を超える報酬を支払ったとして、京都府警捜査2課と福知山署は23日、公選法違反(買収)の疑いで、前福知山市議の尾嶋厚美氏(63)=同市=と同陣営の出納責任者ら計9人を書類送検した。尾嶋氏は当選後に辞職した。

 尾嶋氏の書類送検容疑は、出納責任者らと共謀し4月23日、同市議選でアナウンス担当の運動員6人に報酬として、1人当たりの法定の上限額(1日1万5千円)を約1万~6万円超える計16万5千円を違法に支払った疑い。府警によると、市選挙管理委員会に届け出ていない運動員もいたという。

 尾嶋氏は元陸上自衛官で、同選挙で2回目の当選を果たしたが、市議会事務局によると今月15日に「一身上の都合」を理由に議員辞職した。福知山市議会の田渕裕二議長は「市民の信頼を著しく失墜させ、極めて遺憾。議員一人一人が職責の重さを再認識し、市民からの信頼回復に全力を尽くす」とコメントした。
 

 統一地方選で20人を書類送検、26件警告

 京都府警は23日、4月の統一地方選の取り締まり結果を発表した。京都市議選で選管委員でありながら息子の選挙運動をした疑いが持たれている元市議会議長の井上与一郎氏(78)=右京区=ら、計6事件、20人を公選法違反容疑で書類送検。文書掲示など26件の警告を行った。

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