「このままでは渡りきれない」川崎・麻生区の踏切で高齢女性保護 緊急ボタン押し手助けした男性に感謝状

玉置署長(左)から感謝状を受け取った岡本さん=麻生署

 踏切内から高齢女性を保護したとして、神奈川県警麻生署は川崎市麻生区の会社員岡本卓磨さん(31)に感謝状を贈った。

 14日午後3時ごろ、岡本さんが散歩していると、20メートルほど先で杖(つえ)をついて歩く80代女性の後ろ姿が目に入った。小田急線柿生駅近くの踏切だった。「ずいぶんとゆっくり歩いていて、歩行が大変なのかな…」。女性を追い越したが、女性が気にかかった。

 カンカンカン─。踏切警報機が鳴った。女性は踏切内の3分の1ほどしか進んでいなかった。「このままでは渡りきれない」。岡本さんは力一杯非常ボタンを押した。電車が来ないことを確認し、岡本さんも踏切内に。女性の肩に手をかけ、「大丈夫だよ」と声をかけ踏切外まで一緒に歩いた。女性にけがはなかった。

 「家に戻ると膝が震えた」。助けたい一心だったが、しばらくすると緊張の糸が切れたという。

 23日に玉置敏也署長から感謝状を受け取った岡本さんは「誰かを助けることは大事。救うことができて良かった」とほほ笑んだ。

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