メルセデスF1、約121億円をかけてブラックリーの拠点を拡張へ。ハイパフォーマンスかつサステナブルな施設へ

 メルセデスは、ブラックリーにあるF1チームの拠点を、7000万ポンド(約121億円)をかけてハイパフォーマンスかつサステナブルな本部キャンパスへと拡張する開発計画を明らかにした。

 2017年以来、メルセデスはブラックリーにあるF1チームの設計製造施設を再建するため、30以上の多岐にわたるプロジェクトを完了してきた。最先端の施設に移動したチームのクリーンルームやレースベイ、機械工場、サブアセンブリー工場で作業を進められるように、さまざまな部門がキャンパス周辺に移転している。

 チームは現在、開発の新たな段階に入っており、敷地を拡張できるようにかつての鉄道敷設地など隣接する土地を購入している。メルセデスは、この拡張によって“従業員の健康と福祉、新しい持続可能なインフラ、大幅に改善された車両フロー”を見せられる施設の建設が可能になり、結果として“将来のF1勝利チームに適した、緑豊かな素晴らしいキャンパス”になると述べている。

「我々のキャンパスはもともと350人を収容できるように建てられた」とメルセデスF1チーム代表兼共同所有者のトト・ウォルフは説明した。

「現在では1250人に達している」

「過去5年間のキャンパスの開発は驚くべきペースで行われた。現在計画しているのは、複数の新しい建物を建てて拡張し、モダンなスタイルのキャンパスを作ることだ。多目的エリア、レストラン、最先端のジム、そしてマーケティングビルもできるだろう」

メルセデスのファクトリーの完成予想図

 メルセデスの拡張計画は、“施設内外のリソースによって”100%再生可能エネルギーで稼働させる二酸化炭素排出量ゼロのビルによって、持続可能性への取り組みを明確に示していくだろう。この環境に優しい取り組みにおいては、地域の生物の多種多様性を保護するために再利用およびリサイクルが可能な素材の使用が推進され、オフィス廃棄物のリサイクル目標は60%に設定されている。

 メルセデスがブラックリー・タウン・フットボールクラブと共有することになる駐車場は、70台以上の電気自動車用の太陽光発電充電ステーションをフル装備することで、“ほぼクルマなし”の環境を作り出す。

「これはすべて我々のスタッフのために行われていることだ」とウォルフは述べた。

「ここでは形は機能に従う。その逆ではない。すべては、仕事をし、時間を過ごすのに最適な場所を作り出すために行われている」

「シリコンバレースタイルの環境に期待されるすべての設備と利点を備えた、我々独自の小さな村にしたいと考えている」

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