津山出身・B’zの稲葉さん 初の著作「シアン」企画展 真摯な”作詞家の実像”浮き彫り/埼玉・所沢市

岡山県津山市出身で、人気ロックバンドB’zのボーカリスト・稲葉浩志さん(58)の初の著作となる作品集 「シアン」 の企画展 「稲葉浩志作品展 シアン」 (KADOKAWA、 角川文化振興財団主催) が、 埼玉県所沢市のところざわサクラタウン・角川武蔵野ミュージアムで開かれている。 今年デビュー35周年を迎える稲葉さんの直筆ノートなど 「作詞家としてのすべて」 が表現された著作と連動した内容だ。

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会場はシアン (青緑) を基調に、 「シアン」 特装版に含まれているメッセージや約50点の直筆のノートを中心に展示。 「ALONE」 や 「いつかのメリークリスマス」 「Liar! Liar!」 「ギリギリchop」 「光芒」 の直筆ノートは、 2メートルに拡大され迫力の言葉が迫る。

ノートをのぞきこむと、 何度となく推敲 (すいこう) を繰り返し、 言葉を選びながら、 完成へと近づいていく作詞家としての苦悩が垣間見られる。

他に 「シアン」 のために撮影された写真やインタビュー、 35年の軌跡を振り返るコーナー、 オリジナルオブジェ、 ライブ 「en3.5」 のリハーサルファイル、 稲葉さん自身が撮影したメリーゴーラウンドの写真がプリントされたライブ衣装なども並ぶ。

会場では多くのファンが稲葉さんの軌跡を追いながら、 時間を忘れて展示品に没頭する姿が見られた。

さらに、 書棚まで再現されたパーソナルスタジオ 「志庵」 や、 まだ歌になっていない未公開の言葉を映像化した 「コトバノチカラ」 も公開されている。

稲葉さんは 「憧れ、 苦悩、 強がり、 贖罪 (しょくざい)、 愛情、 望郷の念などが、 歌に乗った時とはまた違う角度で浮き彫りになった」 とメッセージを寄せ、 言葉を紡ぐ人として作品に対し真摯 (しんし) に向き合う作詞家としての実像が感じられる企画展となっている。

期間は28日まで。 午前10時〜午後6時 (金、 土曜は午後9時)。 最終入場は閉館30分前。 入場料は大学生以上1800円、 中高生1300円、 小学生800円 (未就学児無料)。

「シアン」 の撮影ロケ地、 同ミュージアムの 「エディットタウン」 「本棚劇場」 への入場は別途料金が必要。

© 津山朝日新聞社