豊見城教委のサーバーから大量の迷惑メール 3~4月に不正利用され、現在は解消 沖縄

 【豊見城】豊見城市教育委員会(瀬長盛光教育長)は23日、同教委が管理するメールサーバーが3月13日~4月17日、不正中継できる状態にあり、サーバーのドメイン(@city.tomigusuku.okinawa.jp)を使った、多数の迷惑メールが送信されていたと発表した。同教委は、この期間に受信した不審メールの削除を呼び掛けている。実際に送信されたメールの件数や内容は今後調査する。これまでに「不審メールを受け取った」などの連絡は入っていない。

 不正中継は、第三者が特に迷惑メールを大量に送る際に関係のないサーバーを中継すること。ネット上の住所に当たるドメインを変更し、不正中継した機関による発信を装う。利用されたのは豊見城市立小中学校、市立中央図書館が利用しているドメイン。保護者らのメールアドレスや生徒の個人情報などの流出に関して、市教委は「生徒の個人情報は別に管理されている。流出がないかは今後調査する」と話した。

 市教委は、3月11日にネットワークの切り替えを実施した際、外部からの不正な侵入を防ぐシステムの設置に不備があったことが原因とみる。4月16日に別の理由でメール受信ができなくなり調査していたところ、同17日に不正中継されていることが分かった。

 瀬長教育長は「大変ご迷惑をおかけしたことを心からおわび申し上げる。現時点で不正中継の状況は解消しているが、原因や影響などの詳細について早急に調査し、再発防止を図っていく」とコメントした。

 問題の発覚から発表までに1カ月以上かかったことについて、市教委は「ネットワーク切り替えとサーバー管理の業者が違い、それぞれからの聞き取り調査に時間を要した」と説明した。

 (岩崎みどり)

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