■茨城・神栖で鹿行政懇
鹿行政経懇話会の5月例会が23日、茨城県神栖市大野原のアトンパレスホテルで開かれ、第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストが「今後の内外景気動向 日本病 なぜ給料は上がらないのか」をテーマに講演し、30年間低調な経済が続いた「日本病」から「(今年は)脱却できる明るい兆しがある」と分析した。
永浜氏はまず、デフレが長期にわたり続き、景気が低迷してきた「日本病」について「バブル崩壊後の金融施策、財政政策の二つとも、タイミングが遅く、大胆さもなかった」と指摘した。日本の賃金が上がらない理由については、労働市場の硬直化や拙速な消費増税が続いたこと、政府債務に対する厳し過ぎる考えがあることなどを挙げた。
それでも、コロナ禍が収束傾向となるのとともに、インバウンドが急速に回復している点や、企業の設備投資が急速に強まっている点、中小企業も含め今春賃上げが進んだ点などを挙げ、「日本経済の明るい兆し」と述べた。その上で、「来年も3%を上回る賃上げが続くかどうか。好循環の入り口ポイントには来ている。持続できるかは岸田政権のかじ取り次第だ」と力説した。