性自認差別解消、必要性認める 首相「G7声明と同じ認識」

 岸田文雄首相は24日の衆院予算委員会で、LGBTを含む性的少数者について、性自認を理由とした差別の解消の必要性を認めた。先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の首脳声明で、性自認や性的指向に触れた部分に関し「私は議長だ。同じ認識だ」と述べた。

 LGBTの理解増進を図る法整備を巡り、与党は「性自認」を「性同一性」に置き換えた法案を国会に提出した。性同一性は、心と体の性が一致しない障害名として用いられる。一方、立憲民主党などは「性自認」と表現した与野党実務者合意案を提出している。

 首脳声明の英文は、自分の性に対する概念を「ジェンダー・アイデンティティー」と表現。これは「性同一性」と和訳される場合もあるが、日本政府は従来通り「性自認」と翻訳し、和文に「あらゆる人々が性自認、性表現や性的指向に関係なく、暴力や差別を受けることなく生き生きとした人生を享受できる社会を実現する」と明記した。

 首相は声明に関し「G7諸国の間で調整、交渉した結果、作成した。わが国も同意し、一致している」と強調した。

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