京都の公園で「焼き芋」「朝市」OKに 住民の話し合いで個別にルール化

地域で独自ルールをつくる共同研究が進む公園。交流機能を備えた店舗を園内に整備することも検討されている(京都市伏見区深草北鍵屋町)

 公園の利用ルールを住民の話し合いで決められる制度の導入に向け、京都市が検討を進めている。実現すれば、現在は一律に禁止されている公園での焼き芋や朝市の開催などが条件付きで可能になる。公園を柔軟に利用してもらうことで、地域の課題解決や活性化にもつなげたい考えだ。

 市内には利用者が少ない公園もあり、規制を緩和して公園の魅力を高めるのが狙い。住民主体の運営組織をつくって地域の合意を得ることで、ニーズに沿った公園運営ができるようにすることを想定している。

 現在の公園では原則、火気の使用や営利活動はできない。だが新たな制度が導入されれば、落ち葉のたき火でイモを焼いたり花火をしたり、地元野菜を販売する朝市を開催したりすることが可能になる。現在は少人数の児童らに限られるボール遊びの対象拡大や、犬を放して遊ばせる仮設のドッグランを実施することも考えられるという。

 公園の運営組織を支援する企業や大学、NPOが、公園内に店舗や交流施設を建てることも認める方針。支援企業が得る収益の一部を遊具の購入など公園の充実に役立てる仕組みも視野に入れる。

 制度の具体化に向け、市は昨年夏から伏見区深草の北鍵屋公園で近隣住民や事業者と共同研究を始めた。公園の課題や望む姿について意見交換を行うなどして、運営組織や施設の在り方について検討を進めている。

 本年度は、他の公園でも運営組織づくりを支援する予定という。市みどり政策推進室は「地域合意ができれば、やりたいことができる。ルールを決める中で人のつながりも生まれる。公園が交流や地域課題を解決する拠点になってほしい」としている。

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