400年以上続く「馬鹿ばやし」軽妙なしぐさや豪快な踊りに沸く 福井の神社で奉納、県指定無形民俗文化財

軽妙なしぐさで太鼓をたたき、観衆を沸かせた「馬鹿ばやし」=5月24日午後8時半ごろ、福井県福井市の火産霊神社

 400年以上続くとされる福井県指定無形民俗文化財の「馬鹿ばやし」が5月24日夜、福井市手寄1丁目の火産霊(ほむすび)神社で奉納された。個性あふれる面を着けた演者が、軽妙なしぐさや豪快な踊りとともに太鼓の音を響かせた。

 馬鹿ばやしは、朝倉氏の御用商人が神社に能や狂言の面を寄贈し、地元住民にお囃子を伝えたのが起源とされる。神社に残る37の面を使い、地元保存会が春の例祭で奉納している。

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 午後8時ごろ、「般若」「でめきん」などの面を着けた保存会のメンバーが登場。笛や小太鼓に合わせ、大太鼓をたたくと見せて、逆に腕を振り上げてポーズを決め、場をゆっくり見回してから再びたたき出すなど、ユーモアたっぷりのばちさばきを次々と繰り広げた。鬼の「大べしみ」の威嚇するような迫力満点の演技で締めくくった。

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 新型コロナウイルス感染防止のため中止が続いていた地元の園児や小中学生による「子ども馬鹿ばやし」も4年ぶりに披露された。

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