茨城県警 県内窃盗ワースト返上へ本腰 「住宅侵入」「自動車」「金属」

侵入盗の防止に役立つ防犯砂利やセンサーライトなど=県警本部

茨城県警は、人口10万人当たりの犯罪認知件数(犯罪率)で全国ワースト級の住宅侵入盗や自動車盗、金属盗の状況改善に力を入れる。新型コロナウイルス禍の落ち着きで人の動きが活発になり、今年は侵入盗被害が増加傾向。県民にセンサーライトなど防犯対策の強化を呼びかけ、ワースト返上に乗り出す。

住宅を狙った侵入盗の認知件数は、1~4月末現在で計400件に上っており、前年同期比で約1.6倍に増加した。

古河市内では今月16~17日、市内各地で空き家や不在宅を狙った侵入窃盗事件が連続発生。県警によると、犯人は窓ガラスを破壊したり、無施錠の窓から侵入したりして、貴金属を盗んだという。一方、高窓の二重ガラスや窓に張った防犯フィルムで侵入を食い止めたケースもあった。

県警生活安全総務課によると、侵入に5分以上かかると犯人の約7割は諦めるため、補助錠で窓の開放を阻止するのも有効。犯人が狙うのは、センサーライトや防犯カメラがなく「視線を感じない家」、敷地内に砂利が敷いていない「音が気にならない家」という。

自動車盗の犯罪率も、昨年まで16年連続で全国ワースト。4月末現在の発生件数は184件で、今年も昨年とほぼ同じペースで推移している。

県警によると、自動車盗は、窓の隙間から工具を入れてドアを解錠するのに約25秒、エンジンキー情報の書き換えに約3分と犯行時間は極めて短い。対策としてハンドルロックや隠しスイッチなどが有効という。

金属盗の認知件数は、集計を始めた2020年から3年連続で全国ワースト。昨年起きた1632件のうち、被害品は銅線・銅管が320件で最も多い。太陽光発電施設での被害が全体の約4割を占めており、県警は、機械警備の導入や被害に遭いにくい素材への交換を勧めている。

県警は、被害の現状を広く周知することで県民の防犯意識の向上を図りたい考えで、「被害の実態を知り、不審な人や車を見つけた時に通報してもらえるようになれば、防犯の一助になる」(同課)と強調する。

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