イニエスタがヴィッセル退団を発表「神戸へ来た決断に大きな喜びと誇り」。現役続行宣言、7/1ノエスタ札幌戦がラストゲームに

「こんにちは、皆さん」と日本語で切り出し――。

J1リーグ・ヴィッセル神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)が5月25日に記者会見を行い、7月1日のノエビアスタジアム神戸での北海道コンサドーレ札幌戦を最後に退団すると発表した。

黒いTシャツ姿で登場したイニエスタは冒頭、「こんにちは、皆さん」と日本語であいさつし、次のようにスペイン語で続けた。

「5年前、神戸へ来るということは、自分の人生の中でも、最も重要な決断でした。スペインの外での生活は冒険でありましたが、その決断に大きな喜びと誇りを感じています。最高の決断でした」

そのように語った世界最高峰のマエストロは、現役続行を宣言。クラブの方針のもと、出場機会を減らしている現状を受け入れ、退団=移籍の道を選択したという。ただ、その決定を下すのは「簡単なものではなかった」と涙を浮かべた。

「神戸で引退するつもりでしたが、まだまだピッチで戦い続けたい思いはあります。競技を続けるために、この決断に至りました」

「プレーしながら引退したい。そういう状況でできるところを見つけたいです」

会見にはクラブ会長である三木谷浩史氏(楽天グループ代表)も同席し、「世界最高のプレーヤーであるだけでなく、その人柄を含め愛される選手として5年間過ごしてくれたことは、クラブ、また日本の財産になったと思います」と語り、イニエスタに感謝を伝えた。また今後も「有形無形の関係」として、両者は連携していくという。

会見の模様は、ヴィッセル神戸のYouTubeチャンネルにて生中継されている。

イニエスタは2018年7月1日にFCバルセロナから神戸へ加入。2019シーズンには天皇杯で優勝を果たし、クラブ史上初の主要タイトルをもたらした。

2020シーズンのAFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)でベスト4進出に貢献したものの、大腿部を負傷。そのケガが尾を引き、その後はベストパフォーマンスを取り戻せなかった。5月11日に39歳となった今季、これまでリーグ3試合、ルヴァンカップ2試合の出場にとどまっている。神戸とは今シーズン終了まで契約を結んでいた。

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