25日に行われた日本代表メンバーの発表において、サプライズの一人となったMF川﨑颯太。
京都サンガFCからは久保裕也以来およそ10年ぶりとなる日本代表メンバー選出であり、サポーターにとっては特別なインターナショナルマッチウィークとなりそうだ。
川﨑颯太は2001年7月30日生まれの21歳。今回の招集メンバーでは唯一久保建英よりも年下となり、最年少の選手である。
彼が注目を集めたのはもちろんJ2で優勝争いを繰り広げた京都サンガFCでの2021シーズン。曺貴裁監督によって守備的MFのレギュラーポジションを与えられ、その期待に応えて41試合に出場。チームで最も欠かせない選手の1人となった。
そしてJ1初挑戦となった昨年も引き続きポジションを守り、鳥栖戦ではJ1での初ゴールをヘディングから決めるという意外な活躍を見せている。
今年はさらに京都サンガFCのキャプテンに指名され、背番号も24から7へと変更。まさに京都サンガFCの中心選手として確固たる地位を築いた。
「遠藤航の後継者」第一候補
そのプレースタイルはまさに「ボランチ」。171cmと決して大柄ではない体格であるが、試合を読んで的確にボールを奪うディフェンスと堅実なパスワークを生かし、チームに安定感をもたらす。
また若くして冷静な選手であることでも知られており、その頭の回転の速さやメンタルの落ち着き、そして曺貴裁監督の影響を受けてさらに高まった言語化能力にも定評がある。まさに遠藤航の後継者候補と言って差し支えない。
そして、サッカー選手としての活動とともに、立命館大学の産業社会学部にも通う学生でもあるのだ。
このように「京都サンガFC」のイメージが強い川﨑颯太であるが、実は京都府の出身ではない。しかも関西ですらないのだ。
元々は山梨県の甲府市で生まれ、ヴァンフォーレ甲府のU-12とU-15に所属していたという生い立ちである。そして中学卒業と同時に京都へとサッカー留学し、京都サンガFCのU-18に編入した。
クラブが立命館宇治中学校・高等学校と結んでいるスカラーアスリートプロジェクト(SAP)というプログラムでサッカーと学業を両立させてきた…という経歴がある。
代表
日本代表ではこれまでU-18からU-21のカテゴリで選出されているが、これまでビッグトーナメントに出場したことはない。
AFC U-19選手権では予選こそ出場したものの、本大会が新型コロナウイルスの影響によってキャンセルになってしまった。
ただ、昨年はパリ五輪世代の一員としてドバイカップに参加したほか、9月と11月には欧州遠征のメンバーに選出。今年3月にはU-22日本代表のメンバーとしてドイツ代表&ベルギー代表と対戦した。
京都サンガFCで同じ年にトップチームへと昇格した山田楓喜とともに、2024年に行われるパリ五輪本大会への出場を目指している。
今回のインターナショナルマッチウィークではパリ五輪世代も欧州遠征を行ってイングランド、オランダと対戦する予定だが、川﨑颯太は一足飛びにフル代表へと足を踏み入れることになった。
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これが果たして今後どのような結果をもたらすのか。これからも川﨑颯太の歩みと成長から目が離せない。