朝乃山2敗目 26日、横綱戦

 大相撲夏場所(両国国技館)12日目の25日、東前頭14枚目の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は、東関脇大栄翔(追手風部屋)に押し出され、痛恨の2敗目を喫した。横綱照ノ富士(伊勢ケ浜部屋)は1敗を守ったため、優勝争いでは一歩後退した。26日は結びの一番で照ノ富士との直接対決が組まれ、優勝を争う大一番に挑む。

 朝乃山は立ち合いで、頭から突っ込んできた大栄翔の強烈な突きに出足を止められた。喉輪を交えた突き、押しに上体が起きる。まわしを取れず、引いて呼び込んでしまい、追撃に土俵を割った。防戦一方となり「雰囲気にやられたんですかね」と首をひねった。

 大関だった2021年夏場所以来となる三役との対戦。幕内前半と後半では、両国国技館の雰囲気も変わる。これまでは朝乃山ファンが圧倒的に多く「完全なホーム」だったが、相手も看板力士の一人であり、会場には朝乃山と大栄翔の応援タオルが入り乱れた。

 取組後、取材に応じた朝乃山は「攻められて引いてしまった。駄目だった」と反省を口にした。佐渡ケ嶽審判部長(元関脇琴ノ若)は「大栄翔の間合いで相撲を取らされた感じ。三役にもなると、前まわしを取られるのを嫌い、徹底してくる」と指摘した。

 幕内後半で三役を相手に相撲を取ることは、目標としてきた舞台だ。「2年ぶりに本場所の上位で相撲を取らせてもらえることに感謝の気持ちを持って上がった」と取組を振り返った。

 12日目時点で、照ノ富士が単独首位に立ち、朝乃山と霧馬山が2敗で追う展開で、3敗の西前頭15枚目の剣翔が続く。優勝争いはこの4人に絞られてきた。

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