主婦はスーパーの値上げに理解も電気料金の値上げは納得いかない? その理由とは

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG(モニフラ)」(毎週月~金曜7:00~)。5月17日(水)放送の「HOT Word」のコーナーでは、6月から値上げとなる“電気料金”について取り上げました。

◆6月から電気料金値上げ…値上げ幅最大2,771円

東京電力など大手電力7社は、家庭向けの電気料金を6月から値上げすると発表しました。政府は、物価問題に関する関係閣僚会議を開き、大手電力7社の値上げ率を確定させるための査定方針を了承し、これを受け各社が値上げを申請。経済産業省が近く認可する見通しです。

値上げを実施するのは東京電力の他、北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、沖縄電力。標準的な家庭の電気料金の値上げ幅は、東京電力で881円。値上げ幅が最も大きくなったのは沖縄電力で2,771円となっています。

今回の値上げは、ロシアのウクライナ侵攻や円安による火力発電の燃料価格高騰を料金に反映させるためで、物価高騰で苦しむ家計にとってはさらに負担が増えることになります。

このニュースに対し、番組Twitterには「(電気料金の高騰は)原発が動いていないのが原因」という旨のツイートが。医師の友利新さんは「難しい問題だが、その辺りも考えていかないと、議論をしていかないといけない時期に来たと思う」と話します。

キャスターの堀潤は、「OECD(経済協力開発機構)では、技術の話、ヒューマンエラーの話、機構・組織の話、それぞれ課題があると分けているが、組織の透明性、責任の所在を明らかにすることなどが苦手な日本。そうした不信感は払拭したい」と言及。

法律事務所ZeLoの弁護士・由井恒輝さんは「関西電力と九州電力はそれぞれ(稼働中の)原発が4~5基ぐらいあり、そのおかげもあってか電気料金が安い。価格の高騰に原子力発電がおそらく関係しているのは明らかだと思う」と原発のメリットを挙げ、「そうしたなかで原発は一切ダメと毛嫌いしていていいのかは疑問」と話します。

過去には福島第一原子力発電所事故が起きたことを踏まえ、由井さんは「原発ゼロにしていく方向はいいと思う」と脱原発を肯定するも「それはゼロか百かの話ではなく、徐々に変えていくこと」とその進め方について言及します。

◆スーパーの値上げは許せるが、電気料金値上げは…

標準家庭における東京電力の電気料金の推移を見てみると、2022年2月のウクライナ侵攻開始以来、徐々に上がり、同年9月には9,126円を記録。その後、しばらく横ばいでしたが、2023年2月には7,306円に。これは、政府が「激変緩和措置」として補助金を適用したからで、1kWhあたり7円になりました。

その後、減少傾向となり、5月には6,809円まで落ちたものの、6月からは881円値上げとなります。

なお、激変緩和措置は9月までを予定しており、それ以降は1kwhあたり7円から3.5円になるなど段階的に適用額が下がる見込みです。

キャスターの豊崎由里絵は電気料金値上げに対し「家庭のことでいえば、スーパーで全てのものが値上げしていることが許せないかと言ったら許せるんです。とてもお世話になっているスーパーであり、産地が書いてあって透明性がありとても信用しているから。でも、電気料金の値上げがなぜ納得できないかというと、やはり"透明性”。結局、原発事故のことも何が悪かったのか、わかったようなわかっていないようなフワッとしたまま、徐々に忘れている感じになっているのも気になるし、(東京電力が)もう少し透明性が高いと、値上げもしょうがないと思えるかもしれない」と主婦目線での実感を語ります。

5人家族の友利さんは、電気料金の明細を見るたびに驚くと言い、「(電気料金値上げが)世界情勢的にしょうがないと思うところはある」と理解を示しつつも、「なぜ上がるのか、どう企業努力しているのかをインフォメーションとしてしっかり流してほしい」と電力会社の透明性の強化を望んでいました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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