「刑務所で過ごしたようなもの」バルサでの苦悩の日々を語るユムティティ、レンタル先でのキャリア継続を望む「気持ち良く続けたい」

写真:Getty Images

バルセロナからレッチェへレンタル移籍中のフランス代表DFサミュエル・ユムティティが、古巣への不満を口にした。

リヨンの下部組織で育ち、そのままファーストチームに昇格したユムティティ。将来が期待されたセンターバックは、2016年7月にバルセロナへと完全移籍する。

22歳、移籍金2500万ユーロ(約37億5000万円)で加入したユムティティは、大きな期待が寄せられるが、2018年にはヒザを負傷。そこからキャリアが下降線に。公式戦通算133試合2ゴール1アシストを記録したが、ケガでの離脱も多く、戦力外扱いに。心機一転、今シーズンはレッチェへとレンタル移籍を決断した。

クラブからのサラリーカットなどにも応じない姿勢を見せ、お荷物扱いされていたユムティティ。レッチェでは、セリエAで23試合に出場。チームは残留をかけて戦っている状況だ。

そのユムティティは、フランス『Canal+』でバルセロナへの不満を語った。

前述の通り、ケガとクラブの要請に応じなかったこと、さらに移籍も叶わなかったことで宙に浮いていた状態のユムティティ。その4年間に対しての不満を語った。

「僕に必要だったのは、感謝され、役に立ち、尊敬されていると感じることだけだった」

「カタルーニャでは僕は4年間刑務所で過ごしたようなもの。スポーツレベルだけでなく、日常生活でもだ」

苦しい4年間を過ごしたというユムティティ。ただ、加入当初はそんなことはなかったという。

「スペインに移籍した当初は、評価されていると感じていて、良いレベルでプレーできていた」

「そこから僕は不信感を抱き始め、気分が悪くなり、もう誰も僕を信用していないことに気がついた」

様々な理由があるのだろうが、信頼を失っていったユムティティ。“刑務所”と称したバルセロナから脱出したことで、充実しているという。

「僕にとってはチャレンジだった。自分自身が救われることが、リーグに値するとよく知っている。サレント(レッチェが位置する半島)で再び笑顔を取り戻し、社会に感謝することができたからだ」

「今は降格を回避することだけを考えている。でも少し前に友人の(アレクサンドル・)ラカゼットが、ヴィア・デル・マーレ(レッチェの本拠地)に会いに来てくれたんだ」

「引退する前に、もう少し一緒にプレーするも良いかなと思ったよ」

イタリアでは心身ともに充実した日々を過ごしている様子のユムティティ。ただ、レンタル移籍のため、今夏バルセロナに戻らなくてはいけない。

ユムティティは「イタリアで気持ち良く続けたいね」とコメント。「言葉も食べ物もファッションも好きだから」と、イタリア残留を希望した。再び“刑務所”に戻りたいとは誰も思わないだろう。

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