パスタソースにカツオの“未使用の部位” アパレル企業が販売「キャッチーにSDGs」=静岡

静岡が誇る食材・カツオを余すことなく生かしてSDGsにつなげようという取り組みが始まりました。これを仕掛けたのはアパレル企業です。なぜ、食の分野でSDGsに挑戦したのか取材しました。

<影島亜美キャスター>

「きょうから販売が始まったパスタのソース。テーマはSDGsです」

焼津港(静岡県焼津市)で水揚げされたカツオのうまみが詰まったペペロンチーノ。

<影島キャスター>

「カツオのうまみがギュッと詰まっていておいしい」

このパスタのどこがSDGsなのか…。秘密は焼津市の研究所にありました。

<県水産・海洋技術研究所 山﨑資之研究員>

「こちらがカツオの胃腸。こちらがカツオの削り粉になります。カツオの刺し身などを作るときに出てくる、骨や皮など(食用では)使われない部分です」

ペペロンチーノのソースのベースになっているのは、カツオの使われていない部位でした。

<県水産・海洋技術研究所 山﨑資之研究員>

「できる限り人が食べるものに変えていきたいと考えています」

カツオの削り粉と内臓に水・酵素・乳酸菌を加え、かき混ぜていきます。酵素分解による「液体化」です。かき混ぜること6時間…。

<県水産・海洋技術研究所 山﨑資之研究員>

「これが完成品。カツオエキスとして世に出そうとしています。たんぱく質を酵素によってアミノ酸に変換して、うまみ成分を増やすという工程。より一層おいしくなる」

液体にすることでさまざまな料理や加工品に対応でき、一般の事業者でも扱いやすくなりました。「焼津鰹のペペロンチーノ」にもこのカツオエキスがソースのベースとして使われています。

<県水産・海洋技術研究所 山﨑資之研究員>

「商品化されて、研究者冥利に尽きる。やってよかったなと思っています」

このペペロンチーノソースを販売するのは、セレクトショップを展開するアパレル企業です。なぜ、焼津のカツオに着目したのでしょうか。

<デイトナ・インターナショナル ブランディング本部 清宮雄樹部長>

「カツオの35~40%の部位が使われずに捨てられているのを学びまして、その課題をおいしく楽しく、キャッチ—な感じで」

SDGsを難しく考えず、気軽に楽しんでほしい。TシャツやマグカップなどでもカツオをPRし、若い客層にも活動を知ってほしいと考えています。

<客>

「すごくかわいくてSDGsに興味がある」

<デイトナ・インターナショナル ブランディング本部 清宮雄樹部長>

「まずはワクワクドキドキしてもらえると本当にうれしい。こういった形でSDGsに貢献できるんだと。地域の行政や企業が活動に参加してもらって広がるといいな」

「焼津鰹のペペロンチーノ」は県内3つの店舗で販売されます。

© 静岡放送株式会社