賭博規則違反で8カ月出場停止のイングランド代表FW、ギャンブル依存症と診断…当初は11カ月停止も処分軽減

写真:Getty Images

ブレントフォードのイングランド代表FWイヴァン・トニーが、ギャンブル依存症と診断されたことがわかった。イギリス『BBC』が報じた。

トニーは、今シーズンのプレミアリーグで33試合で20ゴール4アシストを挙げる活躍をみせたトニーは、昨年9月にはイングランド代表に初招集。ブレントフォードの攻撃を牽引していた。

しかし17日、232件の賭博規則違反によってイングランドサッカー協会(FA)から8カ月間のフットボール活動禁止処分を科されていた。

2024年1月17日まで試合出場が不可になったトニーだったが、FAの規制委員会に証拠を提出した精神医学の専門家は、トニーをギャンブル依存症と診断。助けが必要だと結論付けたという。

これを受け、委員会は11カ月の制裁から3カ月に軽減。その結果が、8カ月の活動禁止となったという。

26日にFAが発表した制裁の内容を説明する文書では、トニーが最初の面談で繰り返しウソをついていたことを認めたとされていた。

FAは当初、規則に反するとわかりながらもギャンブルを行ったことを隠そうとしたため、トニーに15カ月の活動禁止を課す予定だった。これには虚偽の報告や、証拠の隠滅なども含まれていたが、その後に232件の賭博関与を認めたため、11カ月に短縮。さらに、依存症と診断されたため、追加で短縮されることとなった。

また、FAは文書で八百長ではないと結論づけ、いずれの試合もトニーは関与することはなかったとした。

「今回の事件は八百長事件ではない。もしそうであれば、告訴は別の条項に基づいて進められていただろう。トニーがチームの勝利に賭けた際に、自分のチームが負けるよう影響を与えた、あるいは影響を与える立場にあったという証拠はない。当時彼はチームにも所属しておらず、プレーする資格もなかった」

「委員会は、(精神科医の)フィリップ・ホプリー博士によって特定されたギャンブル依存症の診断を反映するため、大幅な削減が行われる必要があると判断した。選手がギャンブルに関してコントロールできないのは、明らかに診断されたギャンブル依存症が反映されている」

ブレントフォードはFAからの処分を受けて声明を発表。クラブの結果に関与するものはなかったとし、受け入れるとした。

「クラブは今後、イヴァンと彼の家族がこの訴訟で提起された問題に対処するためのサポートを提供するため、可能な限りのあらゆることを行う予定がある」

「この件に関する会話および事件に関連する全ての事項は、選手とその家族を保護するために機密として扱われる」

「我々はこの問題は解決したと考えており、9月にイヴァンをトレーニングに復帰させ、1月にプレミアリーグでブレントフォードの選手として彼に会えることを楽しみにしている」

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