132位で姿を消した19年チャンピオン 池田勇太の今

19年チャンピオンは予選ラウンドで姿を消した(撮影/中野義昌)

◇国内男子◇~全英への道~ミズノオープン 2日目(26日)◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山)◇7461yd(パー72)◇曇り時々晴れ(観衆1175人)

第2ラウンドを終えると、池田勇太にうれしいニュースが届いた。オフに合宿を一緒にするなど目をかけてきた東北福祉大の後輩で5歳下の32歳・富村信二が、同週開催の下部ABEMAツアーで10年ぶりの優勝を挙げた。「すごくうれしいですし、お祝いしてあげたい」と喜びつつ、「若い世代が活躍してくれたら、うれしい」とどこか距離を置いた言葉が寂しく聞こえた。

サングラスには度が入っているそうです(撮影/中野義昌)

池田は2019年に優勝したこの大会以来、勝利から見放されている。永久シードの通算25勝へのカウントダウンは、あと4勝で止まったままだ。今年は通算11オーバー132位で予選落ちし、名前はスコアボードの一番下に沈んだ。

自信を持てるまで…(撮影/中野義昌)

「時間が解決するしかない」と、体の治療と並行してゴルフを組み立てる日々が続く。顎(がく)関節のバランスの崩れを原因とした体の痛みを解消するため、昨年はマウスピースをつけてプレー。オフには4本の歯を削る手術を3度行った。年末にはさらに5本の施術も予定している。「体調はだいぶ良くなったけど、(ゴルフは)感覚的に変わっているものはある。治療途中だから完璧にはならない」と調整しつつ試合を重ね、今季の予選落ちは序盤ながら3度目となった。

自分の「良いニュース」も届けたい(撮影/中野義昌)

そんな中、ドライバーに悩む富村と連絡を取り合い「自信を持って打てるドライバーづくりを」と、3年越しの計画を立ててスイング改造やトレーニングを指導。富村は「1位だけを見て頑張ってきます」という宣言通りに復活優勝を遂げた。

「みんなが活躍してくれるのがうれしい」。その後に続いた池田の「最後は自分が」との声は少しだけ小さくなる。19年大会の優勝による複数年シードも今年まで。「ぼく自身も早く、自分に自信と期待を持ちたい」と話す声に、4年前の力強さが戻るまではまだ時間がかかる。(岡山県笠岡市/谷口愛純)

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