盛岡・虹画堂、31日に閉店 岩手の美術活動を60年支える

画材が並ぶ虹画堂の店内を見渡す上野創一さん

 1964年創業の虹画堂(こうがどう)(盛岡市本町通)が31日に閉店する。盛岡地域を中心に本県の美術活動を親子2代で下支えしてきた。上野創一社長(71)は「後継を考えたが実現せず個人的事情も重なり、体が動くうちにピリオドを打つことにした」と無念の気持ちをにじませる。利用者から惜しまれつつ、およそ60年の歴史に幕を閉じる。

 「これは発色がいいよ」。油彩の絵の具を求めに来た愛好者に、どんどん声をかける。先代の父・千三(せんぞう)さん(故人)から続くアドバイスの様子だ。

 64年、元国鉄職員で自ら絵を描いた千三さんが現店舗の近くに開店した。絵画ブームにも乗り78年に法人化。40代後半で上野さんが店を引き継いだ。額縁や筆といった画材の販売に加え、額装から個展、企画展の展示作業も引き受けてきた。

 31日まで無休。営業時間は午前9時半~午後6時。閉店セールを実施している。

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