鍾乳洞ツアーは協定事業者の利用を 事故受け、市や関係者が呼び掛け 沖縄・宮古

 【宮古島】沖縄県宮古島市城辺保良の海岸にある御嶽、保良クバクンダイ鍾乳洞(通称パンプキン鍾乳洞)で5日、鍾乳洞付近に係留していたカヤック複数艇が流され、シーカヤックツアーの参加者やガイドら21人が一時、岸に戻れなくなった事故が起きた。事故を受けて15日、同鍾乳洞のツアーを行っている10事業者のうち、同鍾乳洞の保全利用協定を結んでいる9事業者が宮古島市役所で記者会見を開き自分たちを利用するよう訴えた。

 協定では、安全管理やサンゴと鍾乳洞の保全などを目的に、1日に入れる人数を制限するなど、県知事から認定を受けたルールを厳守している。

 会見に参加した締結事業者代表の石井将弘さんは「締結事業者は安全管理や保全のためのルール順守を徹底しており、利用する観光客のお店選びが水難事故防止や環境保全につながる」と述べ、協定事業者の利用を呼びかけた。

 会見に出席した市観光商工課の川平敏光課長は「今回の事故は一歩間違えれば大惨事になっていた。宮古島市の観光イメージのマイナスにもつながる。安全管理を徹底した事業者を選んでほしい」と話した。

 事故を起こした事業者は本紙の取材に「会社として事故を重く受け止め、早急に改善や対応策の見直しに努めたい」とした。協定に参加しない理由については「(設定された)人数制限は自然の保護につながらない可能性があることに加え、従業員の生活を失うだけの結果となってしまうことを危惧している」などとした。

 協定を締結している9事業者は、アイランドワークス、リーフノット、タイド、シーエンジョイ、青色のシーズン、わーら、カヤックやまちゃん、オーシャンズ21、マリンフォード。

(友寄開)

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