夏ボーナス予想 1.6%増58万7000円 千葉県内、4年ぶりプラス 物価高で先行き不安感も

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 ひまわりベンチャー育成基金千葉経済センターは働き手を対象に実施した今夏のボーナスに関するアンケート調査の結果を発表し、平均予想額は58万7千円で、昨夏の受給額から9千円増(1.6%増)となり、4年ぶりに前年を上回った。新型コロナの影響が薄れたことや、全国的なボーナス増の機運などから増加に転じた。一方、生活全般の調査では今後の暮らし向きについて「悪くなりそう」が3割を占め、物価高騰による先行き不安感による慎重姿勢もみられた。

 調査は、毎年夏と冬のボーナスで年2回実施。今回は4月3~7日、県内全域の千葉銀行営業店で来店客計千人を対象に行い、965人(96.5%)から回答を得た。

 今夏の予想額を世代別でみると、最も上げ幅が大きかったのは30歳未満で昨夏実績比7.9%増の41万6千円。続いて50代以上が同1.4%増の66万2千円、30代が0.9%増の52万3千円で、40代は横ばいの61.8%だった。

 勤務地別では、県内勤務者の同1.0%増の53万6千円に対し、大企業の多い東京都内勤務者は同4.1%増の84万4千円。

 ボーナスの使い道は1位が「貯蓄・投資」、2位が「教育・教養」、3位が「生活費の補てん」。貯蓄は経済情勢にかかわらず常にトップになるものの、2位以下もおおむね前年同様の傾向だった。年齢層別では、30歳未満と30代は「買い物」「旅行・レジャー」、40~50代は「教育・教養費」「ローン等の返済」などへの配分が高かった。

 ボーナスで買いたい品目は、今年も男女ともに紳士・婦人服がトップ。テレワークの需要が一服したこともあり、前年4位だったパソコンはランク外(11位以下)となった。

 生活全般に関する調査では、今後半年間の暮らし向きについて「悪くなりそう」(29.3%)が「良くなりそう」(5.6%)を上回った。「変わらない」は65.0%だった。

 同センターの担当者は「ボーナス増加の見通しが多いが、生活全般に関しては楽観視していない」と説明。社会正常化が進む一方で、物価高による先行きの不安感も重なり「慎重な見方が続いている」とした。

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