【千葉魂】千葉ロッテ・茶谷、はい上がり初4番 思い書き綴る「内省」で変化

プロ初の4番を任されるまで成長した茶谷

 プロ初の4番だった。茶谷健太内野手が5月17日のバファローズ戦(ZOZOマリンスタジアム)で4番に名を連ねた。プロ8年目で初めての4番。しかし臆することなくバットを振ると2安打2打点の活躍。大事な首位攻防戦でチームを勝利に導いた。

 「打順が4番目という意識で普通にいつも通りにプレーをしました」と茶谷。試合を冷静に振り返りながら充実した表情を浮かべた。

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 帝京三高(山梨)から15年ドラフト4位でホークスに入団。18年に自由契約となり、19年に育成選手としてマリーンズに入団し、ここまではい上がってきた。そんな若者を吉井理人監督は就任前から高く評価をしていた。

 「去年の秋から、いつか4番で使ってみたいと思っていた」と起用が功を奏したことにニヤリとした。そして「4番はランナーがたまった状態で回ってくることが多い。ヒットが出る確率が高い選手は誰かと考えた中で導き出した。チャンスで三振だと何も生まれない。そういう意味では彼は三振が少ない。バットに当てるのが上手い。バットに当てれば、何かが起こる」と4番に茶谷を起用した根拠の一部を明かした。

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 ずっと真摯(しんし)に練習に取り組む姿を見てきた。ただ、もう少し自分を知り、それを元に活動することが大事ではないかと感じた。だから昨年、指揮官は茶谷にアドバイスをしたことがあった。「自分の事を俯瞰(ふかん)して見れるように、毎日、思っていることを言葉にして文字にして書いてみたらどうかな」。茶谷はそのアドバイス通り、その後、書き続けた。毎日、思ったこと、反省点、良かった事、取り組みたい事、やってみたい練習。色々な事を書きつづるようにした。ホームゲームでは自宅に戻ってから。ビジターの際は帰りのバスの中や宿舎に戻ってから。すると不思議と頭の中が整理され、自分の事を客観的に見れるようになった。

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 「今は振り返って読み返したりしています。ふとした気づきがある。文字にして書くこともだいぶ慣れてきた」と茶谷は言う。吉井監督も「いわゆる内省。書いているうちに何かに気が付いたのではと思う。何か変わった」と目を細める。

 「毎日が必死。ずっと一軍で活躍できるように。そのために毎日、悔いがないようにやっていきたい」と茶谷。ホークス時代には茶ゴジラと呼ばれ期待を込められた逸材。マリーンズでは茶谷が活躍すると「茶柱 立ちました!」と喜ぶ。努力の男が秋に最高の茶柱を立ててみせる。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

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