川崎・登戸殺傷4年 「地域で子ども守らねば」「風化させてはいけない」現場で献花

事件現場に花を供え、手を合わせる男性=28日午前7時35分ごろ、川崎市多摩区

 川崎市多摩区のJR南武線登戸駅近くの路上で、スクールバスを待っていた私立カリタス小学校(同区)の児童ら20人が殺傷された事件は28日に4年を迎えた。

 事件発生現場では早朝から、犠牲者を悼む人々が花を手向け、静かに手を合わせた。

 私立カリタス小を卒業した40代の自営業男性=川崎市=は「4年がたっても、関わった人たちの傷は深いと思う。周囲の人は在学中の子どもたちに寄り添ってあげてほしい。そっとしておきたいけど、風化させてはいけない」と訴えた。

 地元老人クラブ会長の斉藤隆司さん(71)=同市多摩区=は、登下校時の見守り活動の担い手の高齢化を課題に挙げ、事件について「思い出すと涙が出てくる。ここを通ると思い出してしまう」と目頭を拭った。

 事件発生時刻に近い午前7時35分ごろに花を供えた東京都北区の会社員丸茂豊さん(32)は「とても悲しい気持ちで、その日はずっと泣いていた記憶がある」と振り返り、「見守り活動を充実させる必要がある。自由で参加しやすい組織をつくることが、活動の強化に必要」と述べた。

 世田谷区立等々力小学校(東京都)で副校長を務める石黒重信さん(57)=川崎市多摩区=は沈痛な表情で、「教育に携わる者として心苦しい。子どもたちを地域で守っていかなくてはならないと痛感した」と話した。

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