蝉川泰果「63」で5位 予選落ち続いたリンクスで会心プレー

最終日に猛チャージ。蝉川泰果が5位に飛び込んだ(撮影/和田慎太郎)

◇国内男子◇~全英への道~ミズノオープン 最終日(28日)◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山)◇7461yd(パー72)◇曇り(観衆2275人)

プロとして初めて大会に戻ってきた蝉川泰果にとって、成長を実感する4日間となった。26位から出た最終日を10バーディ、1ボギーの「63」で回り、通算14アンダーの5位でフィニッシュ。過去3度のアマチュア出場(2015、19、22年)はいずれも予選落ちに終わっていただけに、「満足です。いいゲームができました」と充実感を漂わせた。

「リンクスコースを回ることは少ないし、先週に比べてタフなセッティングなので最初は対応が難しかった」と振り返る初日は90位と出遅れながら、33位、26位と着々と順位を上げ、最終ラウンドに猛チャージ。JGAナショナルチーム時代から指導を受けるガレス・ジョーンズ氏から、スティンガーショットの動きを取り入れることでフックを抑える日頃の調整が最終日にかみ合い「ショットが良くなった」という。

最後はライン読みもかみ合ったと口をそろえた蝉川と出口キャディ(撮影/和田慎太郎)

最初の1番を103ydから2mにつけてバーディ発進。3打目のアプローチをピタリと寄せた2番(パー5)、7mを入れた3番(パー3)と3連続で伸ばすと、唯一のボギーとなった4番を挟み、5番から再び3連続バーディ。スタート時に11打あった首位との差は、ホールを進むごとにみるみると縮んでいった。

「最後のほうは出口さん(出口慎一郎キャディ)とのライン読みもかみ合ってきた」と、14番(パー3)で4m、15番ではエッジから5mをパターで流し込んで8つ目。上がり2ホールも連続バーディで締めくくり、プロ転向後のツアー自己ベストタイ(アマチュアを含めると2022年「パナソニックオープン」3日目の「61」)をたたき出した。

日に日にショットの状態を上げていった(撮影/和田慎太郎)

有資格者を除く上位4人に付与される「全英オープン」出場権争いは、22年「日本オープン」優勝の資格によりすでに獲得しているため関わりはないが、最終日に大きなインパクトを残した。

「全英まで(期間が)空くけれど、予選落ちが見えていたスタートからここまで来られたことは今後につながる。頑張りたいですね」。7月にロイヤルリバプール(イングランド)で迎えるメジャーに向けて、苦手なイメージを残していたリンクスコースで会心のプレーができたことは大きな収穫となる。(岡山県笠岡市/塚田達也)

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