平田憲聖が“22歳”対決に勝利 「そう簡単に勝てないのも分かっていた」

中島啓太を振り切って初優勝をあげた(撮影/和田慎太郎)

◇国内男子◇~全英への道~ミズノオープン 最終日(27日)◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山)◇7461yd(パー72)◇曇り(観衆2275人)

今まで刺激を受けてきた同世代の選手に、自信を持って肩を並べられそうだ。22歳の平田憲聖が、首位と5打差5位から「66」をマークしてプレーオフに進出。同い年の中島啓太との勝負を制し、「本当にうれしい」と初優勝を喜んだ。

大学3年の2021年にプロ転向、QTランク2位に入って翌年のツアー出場決めると、ルーキーながら賞金ランク58位でシードを獲得。ツアー2年目での初優勝は想像していたよりも早かったが、「周りを見ると、そこまで早いとは思わない」と同世代の活躍から焦りも感じていた。

中島は21年「パナソニックオープン」でアマチュア優勝。22年「日本オープン」でアマチュア2勝目を挙げた蝉川泰果も同い年で、「自分は日本オープンに出られなかったので」とテレビ越しに蝉川が勝つ姿を、悔しさとともに見届けた。

プレーオフ3ホール目、バンカーから1mに寄せて勝利を引き寄せた(撮影/和田慎太郎)

5打差から出た最終日は「いつもどおり」を心がけてプレー。前半をボギーなしの4バーディで回ってトップに並んだが、「あえて見る必要はない」とスコアボードは一度も確認しなかった。14番ではじめて自分の位置を確認しても、冷静さは失わず。16番(パー3)で4mのフックラインを決めて通算17アンダーまで伸ばし、中島とのプレーオフに持ち込んだ。

プレーオフは3ホールに及び、中島がパーパットを外し、平田が1mのバーディパットを決めて優勝。今週はじめて見せたガッツポーズは、「あれで精一杯」と控えめだった。

グリーン脇で同世代の選手が見守る(撮影/和田慎太郎)

「(中島は)素晴らしいププレーヤーだし、そう簡単に勝てないのも分かっていた。すごく自信になった」とプロ初優勝をかみ締める。国内男子ツアーの初優勝者としては、1973年のツアー制施行後で400人目。加えてホスト大会で優勝と大会に華を添え、「少しは、恩返しもできたかな」と笑顔を見せた。

この優勝で7月の海外メジャー「全英オープン」行きも確定。本大会で同じく全英切符を勝ち取った、中島や金谷拓実、安森一貴と20代の若手選手らとともに渡英する。「同世代の選手には、いい刺激をもらっている。また勝てるように」と、世代を引っ張る存在を目指す。(岡山県笠岡市/谷口愛純)

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