滋賀県栗東市の旧東海道沿いにある「旧和中散本舗」(国史跡)でこのほど、春の特別公開が実施された。訪れた人たちはボランティア観光ガイドの説明を聞きながら、風情ある建物や庭園を巡った。
旧和中散本舗は草津宿と石部宿の間に位置し、江戸時代に旅人の道中薬として重宝された「和中散」を販売して栄えた。永原(野洲市)を訪れていた徳川家康の腹痛を治し、その名を授かったと言われる。
来場者は人力で操作する製薬機や松竹梅と鶴亀の彫刻がはめ込まれた欄間を見学。明治天皇が行幸の休憩に立ち寄ったなどの逸話を聞き、国名勝の優美な庭園をゆったりと眺めていた。