パソナ南部代表が淡路島に「ブロードウェー」構想 万博見据え、10カ所程度の劇場新設方針を明かす

取材に応じる南部靖之代表=淡路市野島大川

 淡路島へ本社機能の一部移転を進めるパソナグループ(東京)の南部靖之代表は29日、2025年の大阪・関西万博での誘客を見据え、島内に10カ所程度の劇場を新設する考えを明らかにした。音楽家らが居住できる建物や練習場所も整備する方針で、「(米ニューヨークの劇場街)ブロードウェーのような場所をつくりたい」と構想を語った。

 南部氏はこの日、兵庫県淡路市内で同社が開いた芸術イベントに出席し、劇場数は「8~10施設が理想」と言及した。同社によると、全て同市内で建設を予定し、50人程度の小劇場から500人を収容できるホールまで幅広く計画。音楽演奏やバレエ、ミュージカルなど多彩な公演を想定する。

 出演者が滞在したり、居住したりする施設も整え、世界中から音楽家や芸術家が集まり、情報交換ができる場づくりを目指す。開業時期は万博が始まるタイミングを目安にするという。

 同社は20年から、新型コロナウイルス禍で苦境に立つ音楽家を支援し、地方創生につなげる「音楽島プロジェクト」を展開。全国から演奏技術がある人を雇用し、島内の観光施設で演奏する場を提供している。演奏会などを開く拠点劇場「波乗亭」(同市野島大川)も設けた。

 南部氏は「音楽家が淡路島を拠点に全国へ遠征する。そんなことを実現したい」と話した。(中村有沙)

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